コレステロールってそもそも何？本当に悪者？その理由について薬剤師が分かりやすく説明してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
あなたは「コレステロール」って聞くとどんなイメージがありますか？
ハヤシ
おそらくほとんどの人が「血液の流れが悪くなる」「大きな病気の原因に！」「体に悪い」など悪いイメージを持っているかと思います。
血がドロドロなったりとか
ぱっつん
でも、本当にコレステロールってそんなに悪者なの？
どうして増えると体に悪いの？
そもそもコレステロールって何？
なんて思っていても、健康診断で指摘されるとなんとなく「気をつけないと．．．」と思っている人も相当数いることでしょう。
よくわかってないかも．．．
ぱっつん
そこで今回はコレステロールの正体となぜそんなにコレステロールが悪者にされるのかについてお話したいと思います。
検査値を見せられ、なんとなくそれを受け入れているあなた！
きちんとした知識をもって納得して対処できるようになるためにぜひ参考にして下さい。
ハヤシ
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
知っておこう！コレステロールの正体
コレステロールはそもそも何なのか？私たちにとって本当に悪者なのか？
まずそのことについてきちんと理解しましょう。
実はコレステロールって私たちにとって凄く重要！
なくてはならない成分なのです。
ハヤシ
えっ！？
ぱっつん
「脂質」の一種であるコレステロールは食事から20～30％取り入れられ、肝臓で70～80％作られています。
これらは血液の流れに乗って各部位で細胞膜、男性ホルモンや女性ホルモンなどのステロイドホルモン、胆汁酸などの材料となる重要な役割を担っており、
例えば不足すると髪の毛がパサパサになったり、細菌に感染しやすくなったりします。
ハヤシ
めっちゃ重要やん！
ぱっつん
なぜコレステロールが悪者に？
じゃあ、なぜ私たちの体にとって必要不可欠な存在であるコレステロールが悪者にされるのか？
ここからは理由をお話していきます。
肝臓で作られたコレステロールは血液に乗って全身に運ばれ、そこで余ったコレステロールは肝臓へと戻されます。
この際、活躍するのが「HDL」「LDL」。
血液検査の結果で目にしたことが一度はあるハズです。
うん、聞いたことある。
ぱっつん
ただし、この２つの役割の違いがコレステロールが悪者にされる原因になっているのです。
ハヤシ
HDLとLDLの役割と違い
脂質の一種であるコレステロールは水には溶けません。
だからそのままの状態だと私たちの体の各部位に運ばれることは不可能。
そこで、特別なタンパク質やリン脂質に包まれ「リポタンパク」となって全身に運ばれていきます。
このリポタンパクにはカイロミクロン、HDL、LDL、VLDLがあり、LDLの中に含まれるコレステロールがLDLコレステロール、HDLの中に含まれるコレステロールがHDLコレステロールと言われています。
LDLは全身の各組織にコレステロールを届ける、HDLは余ったコレステロールを回収して肝臓に戻すという重要な役割を担っています。
ハヤシ
ポイントはLDLとHDLのバランス！
ここまで重要となるのがLDLとHDLのバランス！
コレステロールを悪者にするカギになります。
つまり、LDLが多すぎてコレステロール供給が増えすぎた状態やHDLが少なすぎてコレステロールの回収がうまくいかない状態だとコレステロールが血管内に溜まってしまいます。
溜まったコレステロールは血管を傷つけたり、血管が狭まる原因に。
ハヤシ
特にLDLコレステロールは血管の内側に入り込む性質を持っており、プラークと言われるコブができるように。
プラークは大きなり、避けてしまうと血栓ができてそれが剥がれ落ちて血管がつまってしまうことがあります。
なんかヤバそう
ぱっつん
このように血管が硬く、もろくなってしまう状態が動脈硬化。
心筋梗塞や脳梗塞につながるリスクが高い状態です。
以上のようにLDLコレステロールが多い状態、HDLコレステロールが少ない状態は動脈硬化を引き起こすリスクが高く、このためコレステロールが「悪者」と言われる所以だったりします。
コレステロールを改善するポイント！
コレステロールが多くなる原因としては、なかなか対策が困難な遺伝的要因や閉経による女性ホルモンの減少が言われています。
歳とると女性は多くなるって聞いたことあるような．．．
ぱっつん
ただ一方で生活習慣が原因とされる場合は食事や運動療法によって改善することは可能です。
食事療法としてはコレステロールを多く含む食品（卵、魚卵、レバーなど）をできる限り避ける必要があります。
さらに肉の脂身やバターもコレステロールを上げるので注意しましょう。
LDLコレステロールが高いと指摘された場合は豆類やきのこ類などをたくさん摂るようにして、インスタント食品は避けるように。
HDLコレステロールが低いと指摘された場合はバランス重視の食事を心掛けて、運動療法に取り組むようにしましょう。
また、喫煙者は要注意！
なぜならタバコはLDLコレステロールを増加させることで知られているから。
ハヤシ
特にタバコに含まれるニコチンはLDLコレステロールを増加させるだけでなく、HDLコレステロールを減少させ、さらには中性脂肪まで増やす作用があります。
なので、禁煙も重要なコレステロール改善策です！
．．．
ぱっつん
まとめ
コレステロールが悪者とされる原因を分かっていただけたでしょうか？
なんとなくダメなもの、体に悪いものと思いがちで意外とその内容についてはきちんとわかっていないことが多いです。
コレステロール自体、私たちにとって必要不可欠なもの。
しかし、LDLとHDLのバランスが崩れた時、重大な病気のリスクが上がってしまいます。
その理由もしっかりと分かったうえで対策するためのご参考にしていただけると幸いです。
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ
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