水分はどのくらい摂らなきゃいけない?けっこう真面目に解説してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
皆さん、病院や薬局へ行くと医師や薬剤師に「水分摂って下さいね」って言われたことあると思います。
ハヤシ
よく言われる!
ぱっつん
でも、その水分って実際には
どのくらい?
どんな風に?
摂っていいものなのか詳しく説明されたことって意外とないんちゃう?
ハヤシ
確かに。
ぱっつん
なにしろ我々人間の体は成人で60%ほどが水分で占められています。
このことだけでも如何に水分が人間にとって大切かわかると思います。
そして、この水分量は年齢とともに減少して高齢者になると50%ほどに。
おまけに喉の渇きを気づかせる「口渇中枢」が高齢になると鈍くなるので脱水が起こりやすくなるというわけです。
ここからさらに体内の水分が不足すると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすきっかけになることも...
水分摂取は私たちが生きていくうえで必要不可欠!
今回は水分をどのくらいの量をどんな風に摂ればいいのかを中心にお話していきます。
是非ご参考にしてください。
ハヤシ
1日にどのくらい水分を摂ればいいの?
水分は食物の分解や色んな物質を細胞に運んだり、いらなくなった老廃物を尿として排泄すること、そして体温を一定に保つ役割を担ったりと私たちの体の中でとても重要な役割を果たしています。
その水分を1日にいったいどれだけ摂ればいいのか?
そのためにはまず人間が1日に排出する水分量を知る必要がありまんねん。
ハヤシ
ほうほう
ぱっつん
”厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動”によると体重60㎏の成人男性の場合、尿や便による1日の水分排出量は1.6L、呼吸や汗による1日の水分排出量は0.9Lとされています。
つまり、1日2.5Lの水分が排出されていることになるんやで。
ハヤシ
そんなに!
ぱっつん
このことから人が健康を保つためには、同じ量2.5Lの水分が必要であるとわかります。
さらにその内訳は食事で1.0L、体内で作られる水で0.3L、飲み水から1.2L。
もちろん、これはあくまでも目安で個人差はあります。
例えば、欧米の調査によると必要な1日の水分量は活動レベルが高い人では3.5L程度という報告も。
残念やけど、年齢や性別、人種、体重、活動レベルなどの違いによる明確な計算方法は今のところないねん。
ただ、一つの目安としてこれらを総合して考えると1.0L~1.5Lほどは食事以外のところで水分摂取する必要があると思われているんや。
ハヤシ
そんなに摂らなあかんのや。
わたし、そんなに摂れてへんかも...
ぱっつん
水分が足りないとどうなるの?
実際に体の中の水分量が減るとどうなるのか?
例えば、私たちが喉の渇きを感じるのはたった1%ほどの水分量が減ったとき。
そこからさらに1%減っただけで今度は吐き気やめまいが!
ほんのわずかな量減っただけでも体に異変が起こるんやで。
ハヤシ
そんなちょっとで!?
ぱっつん
夏場の脱水症状や熱中症などは5%の減少で現れ、10%の減少に達すると筋肉のけいれんや意識の喪失がおこります。
そして、20%の減少に達すると心臓などに影響を及ぼし、死に至ることも...
このように、ほんのわずかな量減っただけでも私たちの体に対して異変をきたす水分の補給を軽く見てはアカンで!
ハヤシ
ホンマやな
ぱっつん
水分はどんな風にして摂ればいいの?
とはいえ、食事以外のところから1.0L~1.5Lほどの水分を摂るのは意外と大変。
どうしたらいいのか気になるところだと思います。
特に高齢者になると上記の通り、のどの渇きを感じることに対して鈍くなってしまうので水分を欲しがらなかったり、「夜中におしっこに行きたくないから」と水分を意図的に減らす人も多いです。
うちのオカンもそんなん言うてるわ。
ぱっつん
基本的に水分の摂り方は、たくさんの量を一辺に摂らずにこまめに摂るようにしましょう。
食事の時だけでなく、例えば仕事の合間に休憩をとる時やトイレを済ませた後などに必ず水分を摂ることを習慣づけるのも良いでしょう。
また、人は寝ている間に結構な量の汗をかいており脱水が進むことから寝る前と起床時にコップ1杯程度の水分補給をすることがおすすめ。
さらに入浴中にたくさんの汗をかくので入浴後もしっかりと水分補給をしましょう。
そうそう「水分をしっかりとって下さいね」って言うと、
「ビールをいっぱい飲むけど、あれも水分?」って聞く患者さんて結構いるねん。
ハヤシ
うちのオトンは「ビールも水分や」って言ってる。
ぱっつん
でも、アルコールは水分ではないから。
例えば、アルコールを飲むとおしっこがちかくなるよね。
それってアルコールに利尿作用があるからなんや。
ハヤシ
へぇ~
ぱっつん
つまり、アルコールは体の中から水分を出させて体を脱水の方向に向かわせるってことなんや。
だから、アルコールを飲む人はとくに水分をしっかりとらなあかんねん。
ハヤシ
オトン、全然アカンやん。
ぱっつん
ただし、こんな人は水分を飲む量が制限される場合があります!
と、ここまではしっかり水分をとりましょうってお話だったわけですが、水分を制限される人もいます。
それは腎臓や心臓に疾患をお持ちの方。
こういった持病をお持ちの方は、水分量を適切な量に調整する場合があります。
したがって、かかりつけの医師にしっかりと相談したうえで正しい水分補給をするようにしましょう。
ハヤシ
まとめ
「水分補給をこまめにしてくださいね」と私たち薬剤師も患者さんによくお声がけしますが、実際にどのくらいの量をどんな風に摂るといいのかまではなかなか説明できないことが多いように思います。
そこで、今回はその理由と方法についてお話しました。
きっと読んでいただければ、体の中の水分を適切な量維持することが私たちの健康維持にどれだけ大切であるか理解していただけると思います。
特に高齢者や高齢者をお世話しているご家族の方は、1日の水分量を意識して根気よく水分補給を行うことをおすすめします。
ハヤシ
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ