乗り物酔いは防ぐことはできるの?お出掛けを楽しむための対策を薬剤師が分かりやすく説明してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
早いものでもう4月の最終週。
今週末からゴールデンウイークです!
ここ2年は行動制限やらでなかなか旅行などのお出掛けを楽しむことが出来ませんでしたが、今年あたりはそれも少し解消されそう。
流石に海外とはいかないまでも、国内を旅行したりドライブしたりする人は多いのではないでしょうか?
楽しみやね!
ぱっつん
でも、そんな楽しいドライブに一抹の不安を与えるのが...
乗り物酔い
ハヤシ
どうも乗り物に酔いやすいという方や家族に小さなお子さんがいらっしゃる方なら尚更不安に感じることでしょう。
確かに
ぱっつん
どうにかして乗り物酔いを防ぐことは出来ないのか?
今回は楽しいゴールデンウイークを過ごすために「乗り物酔い」についてお話します。
乗り物酔いはどのようにして起こるのか?
それを理解することで対策できるようになるので是非ご参考に。
ハヤシ
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
乗り物酔いが起こる原因と仕組みとは?
せっかくの楽しい時間を台無しにするかもしれない乗り物酔いはどのようにして起こるのか?
その答えは「脳の混乱と自律神経の乱れ」です。
ハヤシ
!?
ぱっつん
乗り物に乗ることで私たちはスピード、揺れ、流れていく景色などの情報を目や耳、筋肉などで感じ取ることになります。
本来こうした情報は一致するはずですが何らかの原因でズレが生じ、その情報を収集している脳に混乱が!
例えば、車で走行中に読書をする行為。
親の運転する車でした覚えのある人も多いと思います。
そんな時、よく「車の中で本読んだら酔うで!」って注意されたことないでしょうか?
そして、案の定乗り物酔いしたという経験ありますよね。
あるわ
ぱっつん
まさしく、これが情報の不一致による脳の混乱が起きる例。
つまり、車の振動や揺れを耳や筋肉が感じ取っているのにも関わらず、目からの情報は本の活字というズレ。
なるほど!
ぱっつん
当然こうした情報は脳に送られるのですが一致せず、この状況を
脳は「不快」と判断してしまいます。
ハヤシ
そして、次に脳はこの情報をもとに自律神経に働きかけることで自律神経は乱れて興奮状態に。
こうした状態はめまいや眠気、あくび、頭痛などの不快な症状を引き起こし、さらに胃腸の働きも乱して吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。
そうやって起こるんやな...
ぱっつん
また、「運転手は乗り物酔いしない」と昔からよく言われていますが、これもこのことから説明が。
なぜなら運転手は目からの景色の情報、筋肉や耳から感じ取る振動や揺れの情報が一致するので乗り物酔いが起こりにくいというわけです。
なるほど
ぱっつん
さらに、乗り物酔いというと個人差があるものの子供に起こりやすいイメージがあると思います。
これは乗り物酔いが年齢にも関係し、脳の発達が活発になる小学生くらいになるとスピードや揺れなどといった刺激に対して敏感になることが理由。
このことは中学生や高校生まで続くケースもあります。
ハヤシ
これに対して大人の乗り物酔いの理由は少し違う側面があり、もともとストレスの多い人など自律神経が乱れる要素を持つ人に起こりやすい傾向があります。
乗り物酔いを克服するポイント!
じゃあ、どうやって乗り物酔いを克服するのか?その方法は?
「自律神経の乱れを防ぐ」ことがポイントです!
ハヤシ
乗る前の対策
自律神経が乱れやすい状況を作らないために体調を整えることが重要です。
そのためにまずは十分な睡眠を確保すること。
睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こしやすいので大切なポイントです。
次に食べ過ぎや空腹を避けることも重要です。
いづれの場合も乗り物酔いを起こしやすいので、消化の良い食事を軽く摂るようにしましょう。
体を締め付けるような衣服や厚着も禁物。
酔いやすい人はゆったりをした服装を選ぶようにして下さい。
それでも不安な方は酔い止めのお薬の服用がおすすめ。
ハヤシ
めまいを抑える効果のある抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、あるいは感覚の混乱を抑え込んでめまいを軽減するキサンチン系薬剤のカフェイン、テオフィリンなどがあります。
移動中の対策
先程お話ししたように乗り物酔いが起こるのは脳に送られる情報に不一致が起こることがきっかけです。
そのため、体を進行方向に向けて、車に乗ったら本やスマホをみないようにすること。
あるいは運転手とできるだけ同じ感覚になるように助手席などできる限り前方の席に座るようにしましょう。
また、窓を開けたり、ガムなどを噛む、音楽を聴くなどリラックスできるような状況を作ることも有効です。
ハヤシ
それでも酔ってしまったら...
こうした対策をしたのに、それでも酔ってしまった場合。
呼吸を鼻から吸って口からゆっくり吐きリラックスするように努めたり、軽くストレッチなどして体の緊張をほぐすことが有効です。
また、横になれる状況なら体を横にして頭を固定することも有効。
できるだけ前方の遠くの景色を見るようにするのもおすすめです。
これらの行動でも改善しない場合は...
お薬の服用も。
ハヤシ
ほうほう
ぱっつん
多くの酔い止めのお薬は事前に服用するものが多いですが、中には乗り物酔いしてからも有効となる成分を配合しているものもあります。
例えば、スコポラミンは吐気やめまいに対して非常に優れた効果をがあるので有効です。
ぱっつん
酔い止めのお薬を服用する際の注意!
緑内障や前立腺肥大症などの疾患がある方は酔い止めのお薬を服用できない場合が。
多くのものに抗コリン作用があり、これが症状を悪化させる恐れがあるからです。
特に市販薬を購入する際はきちんと薬剤師に疾患を伝えるようにして下さい。
ハヤシ
まとめ
乗り物酔いは多くの場合病気ではなく、なぜ起こるのかを理解して対策すれば防ぐことは十分可能です。
どうしても酔いやすいという人は是非対策を実践して、お出掛けを楽しめるように。
小さなお子さんがいる方は特に対策をしてあげてください。
今年のゴールデンウィークは「乗り物酔い」の不安を吹き飛ばして、めいいっぱい楽しんでください!
ハヤシ
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ