たかが咳されど咳!長引く咳はただの風邪じゃない?原因と予防を薬剤師が分かりやすく説明してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
最近、急にむせたり咳が出たりするんよなぁ~
ハヤシ
老化ちゃうの?
ぱっつん
...
ハヤシ
急いで食事をしたりするとむせたり咳をしたりすることが多くなるのは飲み込む力が衰えているから。
特に40代になると多くなる傾向があります。
わからんでもない...
ぱっつん
こうした場合原因ははっきりしていますが、一方でなんだかわからないけど咳が長引くケースもあります。
友達と喋っている時に急に咳き込んだり、ちょっとした階段を駆け上ったら咳が止まらなくなったり。
そういうことあるかも!
ぱっつん
普段なら「風邪かな」と済ませるのにえらく長く症状が続く。
身に覚えありませんか?
長引く咳は仮に風邪であったとしても重症化するリスクが高くなったり、また風邪が原因でなく他の病気のサインだったりします。
そこで今回は咳、それも長引く咳についてその原因と予防についてお話します。
これからどんどん気温が下がり乾燥して風邪も引きやすくなる季節なので是非ご参考に!
ハヤシ
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
咳の原因って?風邪以外にどんな種類があるの?
そもそも咳はウイルスやほこり、細菌などの異物が体の中に入ってこないようにするための防衛反応。
こうした異物が侵入すると、脳の咳中枢と言われるところに情報が伝えられ咳が出て異物を外に出そうとします。
これを「咳反射」って言います。
ハヤシ
また、この他にも痰がたまっていたり、気道に炎症がある場合なども咳が出ます。
急に起こる咳の症状。その原因は?
私たちが咳をする時はほとんどが急性で、風邪やインフルエンザのように8割以上がウイルスによる感染症です。
この場合、自身の免疫機能で2週間もすれば症状は治まりますし、インフルエンザにいたっては特効薬を服用することで治まります。
また、これ以外の細菌による感染症の場合も抗生剤の服用で症状を緩和することができます。
このように急性の咳の症状、目安としては3週間未満のものを「急性咳嗽(がいそう)」と言います。
ハヤシ
へぇ~
ぱっつん
長引く咳で考えられる風邪以外の原因とは?
これに対して3週間以上つづく咳の症状は長引けば長引くほど感染症の可能性は低くなり、他の原因が考えられるようになります。
そうなんや
ぱっつん
3週間以上8週間未満の咳の症状は「遷延性咳嗽」と言われ感染症の名残りの場合がありますが、症状がだんだんひどくなる場合は詳しい検査を行うことがあります。
また、咳止めなどを服用しても効果が見られない場合には胃食道逆流症などを疑い、服用薬を変更することも検討されます。
胃の症状で咳が出ることもあるんや!?
ぱっつん
これに対して8週以上もの長い間、咳の症状が治まらない場合を「慢性咳嗽」と言います。
この場合は咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、慢性気管支炎などが疑われ、他にも結核や肺がんの可能性が疑われる場合もあるので早めに医療機関で診察を受けることが重要です。
甘く見たらあかんな。
ぱっつん
また忘れちゃいけないのが、常日頃お薬を服用している人。
ハヤシ
服用しているお薬によっては副作用として「空咳」や「喉の違和感」が挙げられているものがあります。
例えば、降圧剤のうちACE阻害薬(エナラプリル、イミダプリル、テモカプリルなど)を服用している人はお薬の影響も視野に入れるべきです。
そして喫煙者の長引く咳で疑われるのが「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」と言われる肺の炎症や肺機能の低下が原因で起こるケース。
喫煙者の4人に1人が発症すると言われるので特に長く喫煙をしている人は注意しましょう。
...
ぱっつん
咳の予防策とは?
では、こうした咳の症状を起こさないための予防策を紹介していきます。
喉への刺激を避ける
咳を起こさないための予防としては喉に刺激を与えないことが大切。
つまり、ウイルスや細菌、ほこりなどを避けるようにしましょう。
そのための方法として、まずは「うがい」。
ハヤシ
ウイルスやほこりといった異物を取り除くため、人の多い場所に出掛けて帰ってきた時などこまめに行いましょう。
うがいというと常にうがい薬を使って、うがいをする人も少なくありません。
喉に炎症や痛みがある場合は結構ですが、それ以外の時はうがい薬を使う必要はなく使用することによってかえって常在細菌叢も殺菌してしまうので注意してください。
なるほど!覚えとく
ぱっつん
また、ウイルスなどの侵入を防ぐという意味では「マスクの着用」も予防の一つ。
咳やくしゃみによる飛沫感染を予防することが出来ます。
今の時代大切やね!
ぱっつん
歯磨きで口内を清潔に
さらに口内での細菌の繁殖を防ぐために「歯磨き」も重要な予防策。
細菌は特に寝ている間に増加する傾向があるので、寝る前及び起床時は特に念入りに行うように。
食事後も食べかすが残ると細菌の繁殖につながるのでしっかりと歯磨きを行うようにしましょう。
湿度をコントロール
乾燥しているとウイルスが活動的になり、おまけに口の中も乾燥するとそれらを追い出すための繊毛運動が弱くなってしまいます。
特にこれからの季節は部屋の加湿して、水分補給やうがいをこまめにして乾燥を防ぐようにしましょう。
禁煙
先程お話ししたように喫煙者の4人に1人がCOPDに。
特に喫煙歴が長く、たくさん吸う人ほどそのリスクは高くなります。
自分自身だけでなく、受動喫煙でも咳の原因になるので周りの人のことも考えて禁煙を!
ハヤシ
了解です
ぱっつん
まとめ
咳はただの風邪が原因で起こるとは限らず、特に長引く咳は別の病気のサインかもしれません。
今回お話ししたように一つの目安としては3週間以上、症状が続いているかどうか?
ハヤシ
これに当てはまり、長引けば長引くほど感染症の可能性は低くなることを覚えておかれるといいでしょう。
OTC医薬品でセルフケアすることも可能ですが、去年から続くウイルス感染の拡大のこともあります。
咳の症状が続いている期間、咳の仕方などに少しでもおかしなことがあれば、すぐに医療機関で診察を受けることをおすすめします。
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ