花粉症の薬で対策はバッチリ!?市販薬でもOKなの?お薬選びと注意点を解説!
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
花粉症のシーズン真っ只中!
薬局でも日に日に花粉症の症状がきつくなった患者さんがお薬を求めて来局されます。
花粉症の症状といえば、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、さらに鼻づまり。
それらの不快感といったら…
イライラして仕事や勉強、家事に支障が出ることも少なくありません。
ほんま、はかどらんよなぁ~
ぱっつん
理由はそれだけ?
ハヤシ
これらの症状のうち、くしゃみや鼻水、目のかゆみは主にヒスタミンと言われる物質が原因で起こります。
そのため、症状を抑えるために抗ヒスタミン薬が使われることになるわけですが…
花粉症のお薬として使われることの多い抗ヒスタミン薬にも種類があり、ドラッグストアなどでお薬を購入する時などは症状や生活環境に合わせて選ぶ必要があります。
ハヤシ
へぇ~
ぱっつん
今回は花粉症のお薬として使われることも多い抗アレルギー薬について。
花粉症などしっかりと対策をするうえでの情報と注意点を中心にお話ししていきます。
そこの目がかゆくてしょうがないあなた!
鼻水が止まらなくてつらいあなたも!是非ご参考に。
ハヤシ
花粉症のお薬はどんなのがある?
先程お話ししたように花粉症の症状を抑えるお薬というと抗ヒスタミン薬が中心になります。
ただ、抗ヒスタミン薬といっても種類があり、第一世代、第二世代とありまして…
お笑い第七世代みたいな?
ぱっつん
おいおい
ハヤシ
当然のことながら、第一世代と第二世代の間にも違いがあります。
第一世代は速効性があり、抗コリン作用と言われる作用を併せ持っているため特に鼻水を止める効果が優れています。
ええやんええやん!
ぱっつん
しかし、その反面、眠気が強く、口の渇きや便秘などの副作用が起こりやすいほか、前立腺肥大や緑内障を悪化させてしまいます。
なぬ!?
ぱっつん
これに対して、第二世代は速効性に欠けるものの、抗コリン作用がほとんどなく副作用を軽減しています。
だったら、第二世代の方がええかな。
ぱっつん
そやな。
基本的には第二世代のお薬を使うのが多いかな。
ハヤシ
ここで、第一世代と第二世代の成分例を参考までに示しておきます。
ハヤシ
第一世代:クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クレマスチン
第二世代:ケトフェチン、メキタジン、セチリジン、アゼラスチン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン
実はこの中でも例外があり、例えばケトフェチンは第二世代ですが第一世代と同様に眠気を起こしやすいです。
また、メタキジンは第二世代ですが抗コリン作用を持っているので前立腺肥大や緑内障の患者さんには使うことが出来ません。
結構ややこしいなぁ
ぱっつん
花粉症の症状に対して多くは第二世代の抗ヒスタミン薬が使われますが、よく言われる「症状が悪化する前に早めに飲み始めた方が良い」というのはこれまでのお話で分かるように第一世代に比べると速効性に劣り、効果が出るまでに時間がかかることが理由だったりします。
一方で、「鼻水が全然止まらない」なんて症状がひどくなってしまった時には
第一世代のお薬がその速効性から頓服として使われることもあります。
ハヤシ
花粉症のお薬は眠いものほどよく効くの?
ここまでのお話から花粉症のお薬でもある抗ヒスタミン薬は眠気があるものが多いのです。
そのためかはわかりませんが、
「眠気が強いってことはよく効くってこと?」と質問されることがあります。
ハヤシ
確かに副作用として眠気が強いということは、それだけ「お薬としての作用も強いから」と思えなくもないですが…
眠気と花粉症の症状を抑えるお薬の効果の間にはハッキリとした因果関係はありません。
ハヤシ
眠気が生じるのは脳内で抗ヒスタミン効果を発揮するからであり、第一世代に比べて第二世代のお薬が脳内に移行しにくいから眠気が少ないのです。
したがって、花粉症のお薬を選ぶ際は、
眠気は集中力の低下を引き起こすことがあります。
自分の置かれた状況やお仕事などによっては脳内での抗ヒスタミン効果が少ないものを確認して選ぶべきだと言えます。
ハヤシ
なるほど。
ぱっつん
花粉症の市販薬を選ぶ際の注意点
現在、花粉症のお薬として使われることの多い抗ヒスタミン薬は病院で処方される成分と同じものを市販薬として購入できるものがあります。
忙しい人にとっては病院へ行かず購入できるのでとても便利。
しかし、購入時に注意すべき点もあります。
ハヤシ
なんやなんや?
ぱっつん
例えば、これまで再三出てきた眠気。
眠気による集中力の低下などから、車の運転が禁止されているお薬が多いのが現状です。
日常車の運転をよくする方は、第二世代のフェキソフェナジン(アレグラ®)もしくはロラタジン(クラリチン®)の服用を選択しましょう。
ハヤシ
CMでよくやってるやつやん!
ぱっつん
この他にも高齢者の男性に多い前立腺肥大を患っている方や緑内障の患者さんはメキタジンを除く第二世代のお薬を選ぶようにしてください。
また、妊娠中、授乳中の方はフェキソフェナジンやロラタジンが選択肢として挙げられます。
ハヤシ
おぉ、これは知っといた方がええな。
ぱっつん
このようにドラッグストア等で花粉症の市販薬を購入する際は、それぞれの状況やお仕事などをしっかりと薬剤師に伝えて自分に合ったお薬を選択することが重要です。
まとめ
花粉症のお薬は市販薬でも数多く販売されるようになり、自分で花粉症対策を容易に取ることができるようになりました。
しかし、今回お話ししたように花粉症のお薬として使われることの多い抗ヒスタミン薬はその性質から注意して選択する必要があります。
特に眠気や集中力の低下などは全ての人が起こりうることで、日常生活に支障をきたすこともあるかもしれません。
しっかりとそのリスクを理解したうえで薬剤師に相談し、自分に合ったお薬を選択するようにしましょう。
また、毎年花粉症の症状がひどい人や市販薬を1週間ほど服用しても改善しない場合には医師の診察をうけることをおすすめします。
花粉症のつらいこの時期を少しでも楽に過ごせるように参考にしていただけると幸いです。
ハヤシ
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ
参考:各添付文書、今日の治療薬2020