意外と多いぞ帯状疱疹!いつまでも痛みに苦しまないために薬剤師が分かりやすく説明してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
お腹周りが「かゆいなぁ~」って思ったらチクチク痛み出して、しばらくするとさらに痛み出す!!
そんな経験ないでしょうか?
それって帯状疱疹かもしれません。
ハヤシ
えっ!?
ぱっつん
薬局で接する患者さんの中にはこのような症状の方は結構いて、特に高齢の患者さんに多い印象を受けます。
中には痛みがなかなか取れず、表面上は完治しているように見えていてもしばらく痛みに苦しんでいる方もいらっしゃいます。
それはお腹周りだけでなく、頭や顔などに出る方も。
顔にも?
ぱっつん
今回は意外と多い「帯状疱疹」について。
どのような病気で?どのような原因で起こるのか?
対処方法や治療薬と合わせてお話していきます。
意外とあなたの周りにも痛みに苦しんでいる人がいるのではないでしょうか?
是非ご参考に。
ハヤシ
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
帯状疱疹って何?
帯状疱疹は体の左右どちらかに帯状に発疹や水ぶくれが出る皮膚症状とチクチク、ピリピリとした痛みやかゆみを伴う病気です。
はじめはかゆみやピリピリとした痛みから始まり、次第に赤いぶつぶつや水ぶくれができます。
こうした帯状疱疹の皮膚症状はぶつぶつができてから1週間くらいは拡がっていきますが、水ぶくれ→ただれ→かさぶたとなって約2~3週間ほどで治っていきます。
また、体だけでなく頭部や顔に発症するケースも。
ハヤシ
こうした場合はぶつぶつや水ぶくれといった皮膚症状だけでなく、耳鳴りや結膜炎、顔面神経痛、麻痺などといった症状を合併することもあります。
さらに表面上は皮膚症状もなくなり完治していても、神経が損傷を受けて痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」が残ってしまうケースもあります。
そんなんなったら、めっちゃ辛いやん!
ぱっつん
どうして帯状疱疹になるの?
じゃあどうして帯状疱疹になるのか?
帯状疱疹の原因は水痘・帯状疱疹ウイルスというヘルペスウイルス。
このウイルス名前の通り、帯状疱疹だけでなく、水ぼうそうの原因ウイルスでもあります。
実はこれが帯状疱疹になるポイントです!
ハヤシ
多くの人が子供の時に水ぼうそうになり、治るという経験をすると思いますが...
治った後も実はウイルスは神経の中に潜んでいます。
ハヤシ
そうなん!?
ぱっつん
普段は特にこのウイルスが悪さをすることはありませんが、疲労で体力が低下していたり、ストレスや加齢などで免疫力が低下するとウイルスが再活性。
神経を伝って皮膚へと増殖して帯状疱疹が発症するのです。
帯状疱疹は50歳以上の人に多く、特に女性に多いと言われています。
さらに80歳までに3人に1人が発症するとも。
めっちゃ多い...
ぱっつん
帯状疱疹はうつるの?
よく薬局で聞かれるのが「帯状疱疹はうつるの?」って質問。
ズバリ帯状疱疹はうつることはありません。
通常は。
ハヤシ
通常は?
ぱっつん
ただし、一度も水ぼうそうにかかったことのない人には水ぼうそうとしてうつる可能性があります。
そのため、赤ちゃんやお子さん、妊婦さんとの接触は避けるようにしましょう。
それは気をつけないとアカンな
ぱっつん
また、一度帯状疱疹にかかった人は再発することがあるのか?と聞かれることもあります。
これに関してはウイルスに対する免疫力を獲得するため、ほぼ再発することはありません。
帯状疱疹の治療って?お薬は?
では帯状疱疹に対してはどのような治療があるのか?
お薬や対処法についてお話していきます。
ハヤシ
とにかく早めの治療開始がポイント!
帯状疱疹は早めに治療を開始することが重要です。
痛みが出たら我慢しないこと。
帯状疱疹の原因は先ほどお話ししたようにウイルス。
痛みを抑えようと市販薬の痛み止めを飲んだとしてもウイルスを増殖を防ぐことはありません。
さらに抗ヘルペスウイルス薬は市販では販売されていないので、医療機関の受診が必要です。
早期に服用を開始することで皮膚症状がひどくなり跡が残るといったことや痛みが残る帯状疱疹後神経痛を防ぐことが出来ます。
帯状疱疹のお薬
帯状疱疹に使われるお薬は主に「抗ヘルペスウイルス薬」。
ウイルスの増殖を抑える作用があるお薬です。
ハヤシ
ただし、このお薬について覚えておいて欲しいのがあくまでも「増殖を抑える」お薬であること。
決してウイルスを倒すお薬ではないということです。
だから、お薬を飲むとウイルスが次々と死んでいくというわけではなく、増えなくなる。
つまり、効果が出るまでには2,3日かかるというわけです。
したがって、
効果がないとすぐにお薬を飲むのを止めることはせずに、きちんと指示された期間飲み切ることが重要です。
ハヤシ
代表的なお薬としてはアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビルがあり、投与期間は7日間と指示されるのが一般的です。
また、ごく軽症の場合にはビタラビンなどの軟膏が用いられることがあります。
帯状疱疹に対するその他の対処法
次にお薬以外の対処法について。
ピリピリ、チクチクとした痛みは血行が悪くなるとひどくなることがあります。
したがって、ほてりがある場合以外は患部を冷やさず、温めることで痛みを和らげます。
例えば、お風呂に入って温め血行を良くすることがおすすめ。
その際は水ぶくれなどをつぶさないように患部をこするのはやめましょう。
また、ストレスや疲労がたまり体の抵抗力が落ちている時に帯状疱疹は起こりやすいので生活のリズムを整えることが重要。
しっかりと体を休め、栄養を摂るようにして下さい。
お酒は炎症や痛みをひどくすることがあるので控えるように!
ハヤシ
...
ぱっつん
まとめ
帯状疱疹を発症する高齢者は思っている以上に多く、帯状疱疹後神経痛に苦しむ患者さんも多いです。
なぜなら正しい知識がなく、痛みが出ても
しばらく様子を見ようとする人が多いから。
ハヤシ
今回お話ししたように原因がウイルスである以上、帯状疱疹が疑われるような症状があるならすぐに医療機関に行くべきです。
対処が早ければ早いほど、後々神経痛に苦しむことはありません。
是非今回のお話を参考に、仮にそういった症状があった場合にはすぐに対処してください。
あと、日々の生活リズムが乱れないように対策もして下さいね。
ハヤシ
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ