うがい薬、適当に使ってない?イソジンやアズノールの違いは?薬剤師が分かりやすくまとめてみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
こう暑い日が続くとクーラーなしではいられません。
ただ暑いばっかりに体を冷やし続けるとだるさを感じたり、クーラーによる乾燥でのどの痛みを感じることも...
最近暑いからクーラーつけて寝るんやけど、朝起きたら喉痛かったりするわ。
ぱっつん
確かにこの時期そういう人多いよなぁ~
ハヤシ
のどの痛みやイガイガした感じが気になると、私たちの多くが「うがい薬」を使います。
そしてうがい薬といえば...
やっぱイソジンっしょ!
ぱっつん
わかるわかる。
ハヤシ
うがい薬といえば私たちの頭に浮かぶのはほぼ100パーセント、イソジン。
しかし、当然ですがうがい薬はいくつかあってイソジンもその一つでしかありません。
例えば、イソジン以外にも有名どころでいうとアズレンを成分とするアズノール。
病院で処方されたことのある人も多いのでは?
そんな時、「あれ!イソジンちゃうの?」って思った人もいるかと思います。
確かに...
ぱっつん
実はイソジンとアズノールでは薬効が違い、使う目的が違います。
そこで今回はイソジンとアズノールについて。
うがい薬の両巨頭(?)ともいうべき、この2つのお薬についてその違いと使用目的などをお話します。
ハヤシ
クーラーで喉がイガイガするだけでなく、これから秋、冬と迎えていく中で喉の異変が起こる人も多いことかと。
そんな時、市販薬としても購入できるうがい薬は超便利!
今回のお話をもとに自分の症状に合ったお薬を選べるように参考にして下さい。
ハヤシ
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
全然違うぞ!アズノールとイソジンの使用目的
うがい薬というとイソジンが真っ先に頭に浮かぶように、細かな症状がどんなであろうと「イソジンで大丈夫!」と思っている人も多いと思います。
その口です。
ぱっつん
しかし、イソジンもお薬。
その効果が適応する症状があります。
また、アズノールにも。
うがい薬イソジンの効果と使用目的
イソジンの有効成分はポピドンヨード。
その効果は殺菌・消毒と感染予防です。
ハヤシ
つまり、細菌自体をやっつける効果とインフルエンザウイルスなどの感染性を失わせる効果を持っており、のどを痛めていてウイルスや細菌に感染しやすい状況の時やインフルエンザが流行している時などの使用に適したお薬です。
ほうほう
ぱっつん
うがい薬アズノールの効果と使用目的
一方、アズノールの有効成分はアズレン。
その効果は炎症を抑える「抗炎症作用」です。
ハヤシ
つまり、口の中や喉の粘膜に炎症あるいは傷ができるような口内炎や喉頭炎の症状に対して適したお薬です。
へぇ~イソジンとは違うんやな。
ぱっつん
以上のように、うがい薬といってもイソジンとアズノールでは効果が異なり、使用目的も違ってくるのでその都度症状に合わせて正しく選択する必要があります。
適当に使ってない?うがい薬の薄め方とうがいの仕方
では、実際にうがい薬を使うにあたってですが...
適当にコップに入れて水も適当に注いでガラガラ、ペッってしてへん?
ハヤシ
あきまへんの?
ぱっつん
うがい薬を薄める際に正確に薄めようと必要以上に神経質にならなくてもいいですが、適当に薄すぎたり濃すぎたりはしないように。
特に薄めすぎるとその効果は発揮されないことがあります。
さらに、イソジンとアズノールでは薄め方に違いもあります。
イソジンを使った正しいうがいの方法
イソジンの効果を得るためには15~30倍希釈する必要があります。
といっても、なかなかピンとこないかも。
ハヤシ
ようわからん。
ぱっつん
イソジンには処方薬も市販薬も大抵メモリがついています。
1目盛が2mlのものが多く通常は1目盛を、特にのどの痛みが激しい時は2目盛を約60mlの水あるいはぬるま湯で薄めるようにしましょう。
うがいの方法はまず口の中の食べかすなどを洗い流すためにブクブクして口を漱ぎ出した後は、再び口の中にお薬を含んで上を向いて喉の奥まで届くようにうがいをしてください。
アズノールを使った正しいうがいの方法
次にアズノールですがイソジンのように目盛ではなく滴数で調整します。
適量は5~7滴で、おおよそ100mlの水あるいはぬるま湯で希釈してください。
アズノールは炎症箇所や傷のある場所にお薬が届くようにうがいをする必要があります。
したがって、口内炎ができているなら口を漱ぐようにブクブクうがいを、のどに炎症が起きているなら喉の奥に届くようにガラガラうがいをするようにしましょう。
つまり、症状に合わせてうがいの仕方を変えるってこと!
ハヤシ
なるほど。
ぱっつん
このようにイソジン、アズノールいずれの場合もまずは正しく薄めて効果を得ることが大事。
そして、1日数回、特に外出後は正しいうがいをするようにしましょう。
うがいの予防効果について知っておこう!
今回のようにうがい薬を使わなくても、私たち日本人の多くはうがいをする習慣があります。
そして、水道水を使って行う一般的なうがいにはいわゆる「風邪」に予防効果を示すという研究報告も。
(ただし、ここで言ううがいは1日3回、1回につき15秒のうがいを2回行うというかなりハードルが高いもの)
しかし、一方で首相官邸のホームページ「インフルエンザ(季節性)対策」によると「インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません。」との記述もあります。
したがって、インフルエンザの流行期などは感染予防としてはイソジンを使ったうがいがおすすめです。
ハヤシ
覚えとく!
ぱっつん
まとめ
私たちが普段何気なくしているうがいはたくさんの病気の原因となる細菌やウイルスから守る行為です。
そして、そのリスクが高くなる秋、冬の季節は特にうがいは重要。
普段行う水道水によるうがいはもちろん、イソジンやアズノールといったうがい薬を使う場合、使用目的の違いを理解して正しくうがいをする必要があります。
これからあなたが何度も体験するであろうのどの症状。
それに対して正しい選択ができるようになるための参考に今回のお話がなれば幸いです。
ハヤシ
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ
参考:アズノールうがい液4% 添付文書、イソジンガーグル液7% 添付文書