調子が良くなったら薬は飲まなくていい?指示通り薬を飲むべき理由を解説!
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
急に寒くなってきて体調を崩しやすくなる季節に。
今年はコロナウイルスの心配もあって皆さんそれぞれ普段の健康には充分注意をされていると思います。
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ハヤシ
それでも体調を崩すことってなかなか避けられないことも。
病院に行って、お薬を処方してもらうこともあるかもしれんよね。
ハヤシ
あるかも
ぱっつん
皆さんはそんな時、医師や薬剤師の指示通りお薬を飲んでいますか?
1日3回のお薬を1回しか飲まなかったり、「調子が良くなったからやめちゃった」なんて人、少なくないのでは?
処方されたお薬は、指示通り最後まで服用するのが原則なんやで。
ハヤシ
ギクッ
ぱっつん
今回はお薬を自分の判断でやめずに指示通り飲むべき理由について解説します。
これからあなたがお薬を処方してもらった時、特に抗菌薬を処方された時などの参考に是非してみて下さい。
ハヤシ
まずはお薬が効く仕組みをちゃんと理解しよう!
お薬をきちんと飲まないといけない理由を理解するうえで、お薬がどんな仕組みで効果を表していくのかを知っておく必要があります。
お薬は効果っていうのは、飲んだお薬がどのくらい血液中に移行したかで判断します。
これを「血中濃度」って言うんやけど、お薬はこの「血中濃度」が一定量に達して初めて効果を現わすんや。
つまり、血中濃度が高くなると効果はそれに合わせて強まり、低くなると弱まるというわけ。
ハヤシ
なんとなくわかるような、わからんような…
ぱっつん
そのお薬の血中濃度を簡単に示したのがこの図。
お薬を飲んでから徐々に血中濃度は上がりピークを迎え、そのあと徐々に下がっていきます。
これを見てわかるように安全にお薬の効果を得るには「効き目が現れる範囲」に血中濃度をとどめることが大事なんやで。
ハヤシ
ほうほう。
なんかわかった気がする!
ぱっつん
薬を指示通りに飲まなきゃいけない理由
じゃあなんでお薬は指示通り「1日2回」や「1日3回」服用しないといけないのか?
処方されたお薬にはそれぞれ「添付文書」というお薬の説明書があって、そこに用法と用量が書かれています。
この用法と用量はそのお薬の効果を最大限にして、尚且つ副作用のリスクを最小限にとどめるように決められたもの。
これを守らず、回数や量を減らせば当然効果は弱まり、逆に指示以上に服用すれば副作用のリスクが高くなってしまいます。
こういったデータをもとにお薬の効果が「効き目が現れる範囲」にとどまるように、「1日2回」「1日3回」といった服用回数がそれぞれの薬に決められているんやで。
ハヤシ
そうやったんや。
ぱっつん
例えば、上の図のように朝食後飲んだお薬の効果がなくなってしまいそうなタイミングで昼食後の薬を飲み、また昼食後に飲んだ薬の効果がなくなってしまいそうなタイミングで夕食後の薬を飲む。
こうしてお薬の血中濃度を「効き目が現れる範囲」にとどまるようにして効果を最大限得るようにする。
これが処方されたお薬を処方通りに飲まなきゃいけない理由です。
ハヤシ
それでもお薬を飲み忘れた時は…
ここまで説明してきたようにお薬は指示通り飲むことで最大限の効果を得られるもの。
原則、指示通り飲んでください。
でも、そこは人間。
飲み忘れることだってあります。
ハヤシ
結構ありまんねん。
ぱっつん
結構あるのは困るけど…
そういった時は上で説明したお薬の効果を意識して飲み方を工夫して対応しましょう。
ハヤシ
まず飲み忘れたと気が付いた時点で服用すること。
そして、その次に飲む薬のタイミングをずらすこと。
この工夫をしないとお薬を飲む間隔が短くなってしまい、ここまでで説明したように「血中濃度」が高くなり副作用のリスクが高まってしまうので注意です。
決して飲み忘れたからといって2回分をいっぺんに飲むようなことはしないように!
ハヤシ
目安としては、
1日1回の薬の場合:忘れた薬を飲んでから8時間以上空けて次回分服用
1日2回の薬の場合:忘れた薬を飲んでから6時間以上空けて次回分服用
1日3回の薬の場合:忘れた薬を飲んでから4時間以上空けて次回分服用
逆にこの間隔が確保できずに次の薬飲む時間が迫っている場合。
そんなときは忘れた分のお薬は飲まずに次回分からきちんと飲むようにしましょう。
ハヤシ
また、1日3回飲むお薬の場合、学校やお仕事でお昼に飲めない場合もあるでしょう。
そんな時もこの目安を参考に、できる限り1日の服用回数を守りながら飲むようにしましょう。
例えば、目安の間隔を頭に入れながらお昼の薬は帰宅後すぐに服用し、夕食後の薬を寝る前に服用するといったような感じ。
ハヤシ
なるほどね。
ぱっつん
ただし、こういった場合も医師や薬剤師に相談することは忘れずに!
ハヤシ
あくまでも目安にはなりますが、飲み忘れた時の対処は薬局でもよく質問されるので参考にしてみて下さい。
まとめ
お薬はその効果を最大限に得るためにも用法用量を守り、医師や薬剤師の指示通りに飲むことが原則。
その理由が今回の解説を読んでいただければ、お分かりいただけると思います。
特に抗菌薬を服用されている場合などは細菌を完全に退治するために「調子が良くなったからもういいかな」と飲むのをやめるのはやめて下さいね。
ハヤシ
やってしまいがちやったわ…
ぱっつん
本来あなたの体を守るはずのお薬もその飲み方を正しく理解していないと…
効果が現れないどころかあなたの体を傷つけることだってあります。
お薬を飲まなきゃいけない時は、医師や薬剤師の指示通り服用するようにお願いします。
ハヤシ
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ