糖質が気になる人の疑問!果物はどのくらい食べていい?分かりやすく解説
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
すっかり秋らしくなって果物が美味しい季節になってきました!
柿、りんご、梨といったところかな。
美味しいよなぁ~!
ぱっつん
うんうん
ハヤシ
果物はビタミン、ミネラル、食物繊維を含みます。
そして甘味がある果実は美味しさ満点。
ただし、その甘味は普段から血糖値が気になる人にとっては放ってはおけないところ!
ハヤシ
「ついついたくさん食べちゃうけど、大丈夫なん」「どのくらいやったら食べてもいいんやろか?」なんて患者さんから尋ねられることも少なくありません。
果物には糖質を多く含むものがあるわけですが、一方で食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収抑制の効果が、ビタミンやフラボノイドはその抗酸化作用で動脈硬化を抑制するとも言われています。
めっちゃええやん!
ぱっつん
今回は果物に含まれる糖質に注目して、血糖値への影響を考えながら「楽しく食するには適量はどのくらいなのか?」についてお話します。
日頃、血糖値は気になっている人や糖尿病予備群と言われている人は是非ご参考に!
ハヤシ
果物は敵なの?味方なの?どっち?
冒頭でお話したように果物にはビタミン、食物繊維、ミネラル、そしてブドウ糖、果糖、ショ糖といわれる糖質が含まれています。
このうち食物繊維は水溶性食物繊維と言われ、消化管での糖の吸収を遅らせて血糖値の急激な上昇を抑えます。
そのため、「果物は血糖値の上昇を抑えるから血糖値が気になる人には良い食べ物!」なんて言われることも。
ただし、これには果物の違う側面もあって「正解」とは言い切れません。
ハヤシ
なんで?
ぱっつん
その理由は果物に含まれる「果糖」にあります。
ハヤシ
キーポイントとなる「果糖」とは?
果糖は果物に多く含まれる糖類であり、ブドウ糖と同じく単糖類。
そして血糖値は血液中のブドウ糖の濃度を指すので、
果糖が直接血糖値を上昇させることはありません。
ハヤシ
じゃあええやん。
ぱっつん
しかし、果糖の一部は糖新生によってブドウ糖に変換されたり、肝臓で中性脂肪に合成されたりします。
さらに肝臓にたまった中性脂肪は脂肪肝のリスクを上げて、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしてしまいます。
アカンやん。
ぱっつん
つまり直接血糖値を上げることはなくても、間接的に上げる可能性は否めません。
それは果物の摂りすぎによってより大きくなります。
果物は適量食べるのであれば含まれる食物繊維によって血糖値の抑制というプラスの効果が期待できますが、食べ過ぎると血糖値の上昇のリスクの方が大きくなりバランスを保つことが重要です。
なるほど。
ぱっつん
糖質が気になる人の正しい果物の食べ方
では、いったいどのくらい食べるのが適量なのか?
気になる!
ぱっつん
一日の果物の摂取量とタイミング
以下に糖尿病や血糖値が気になる方でも血糖値の上昇を心配することなく食べれる果物の量を示してみました。
1日の目安量としてはおよそ80kcal。
ようわからん...
ぱっつん
下記の表を参考にしてもらって軽量して確認するのが一番ですが、
だいたい「握り拳ひとつ分くらい」と覚えておくと便利やで。
ハヤシ
それええやん!
ぱっつん
~80kcalに相当する果物目安量~
果物名 | 目安量 |
バナナ | 100g(中1本) |
みかん | 200g(小2個) |
りんご | 150g(1/2個) |
ぶどう | 150g(15粒程度) |
もも | 200g(1個) |
スイカ | 200g(2切れ) |
なし | 200g(1/2個) |
柿 | 150g(1個) |
いちご | 250g(15粒) |
キウイ | 150g(1.5個) |
パイナップル | 150g(2カット) |
メロン | 200g(中1/2個) |
食べるタイミングについては食後、つまり食事の最後のデザートとして食べるようにすると摂取量も抑えられてベスト。
食間に摂るとどうしてもダラダラと、気がつけばたくさん食べていたなんてことにもなりかねないので避けるように。
...
ぱっつん
おすすめの果物は?
「1日の目安量はわかったけど、じゃあどの果物がいいの?」
そう思う人もおられると思います。
血糖値を気にされている方にも最もおすすめなのが
キウイ!
ハヤシ
へぇ~
ぱっつん
キウイは果糖の割合が多く血糖値の上昇は緩やか。
他の果物と比べても食物繊維が豊富で、ビタミンCも多く含んでいます。
便秘の解消、シミやしわ防止にも役立つ果物と言えます。
明日から食べるわ
ぱっつん
次に「いちご」もおすすめ。
食物繊維が豊富で、ビタミンCにいたってはたった5粒でレモンの約2.5個分に相当します。
注意すべき果物は?
では逆に食べるのに注意すべき果物は?
食品に含まれている糖の吸収の割合いを示すものにGI値があり、この値が高いものほど血糖値の上昇が速やかになります。
そして、果物においてこの値が高いのが順に
パイナップル、スイカ、バナナ、ぶどう。
ハヤシ
このうちパイナップルは食物繊維が豊富で一見GI値が低いように思われますが、その食物繊維の多くは血糖値の上昇を抑える水溶性食物繊維ではない不溶性食物繊維です。
さらに糖質においても果糖の割合が低い果物なんです。
これは覚えといた方がええな!
ぱっつん
まとめ
健康診断で血糖値を指摘されたり、普段から気になさっている方にとっては参考になったのではないでしょうか?
「お菓子やケーキは当然控えないと」と思っている人でも果物については実際どのくらい摂っていいのか分からないという方は非常に多いです。
病気の予防や美容といった面で果物を摂ることは非常に重要。
しかし、私たちにとってこうしたプラスの効果も「摂りすぎ」によってマイナス効果に打ち消されてしまうことがあります。
なかなか今回示した細かな数字を頭に入れておくことは難しいかもしれません。
そんな時は「握り拳ひとつくらい」を思い出して、美味しく楽しく果物を食べていただければと思います。
是非ご参考に!
ハヤシ
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ