つらそうな子供を早く治してあげたい!でもお薬飲んでくれない!そんな時の飲ませ方
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
小さなお子さんが病気でつらそうにしていると見ているこちらもホントかわいそうで…
普段は小さな子供の調剤はあまりない薬局なのですが、市が休日や祝日に行っている「休日診療」へ行くとたくさんつらそうにしているお子さんが来られます。
子供ってさっきまで元気に遊んでたのに急に発熱したり、嘔吐したり…
特につらそうにしている乳幼児のお子さんは見ててめっちゃつらいわ。
ハヤシ
わかるわ。
ぱっつん
とにかく早く何とかしてあげたい、早く治してあげたいと思うのが親心。
しかし、お薬好きな子供ってそうそういません。
なかなかお薬を飲みたがらない子供がほとんどです。
こういう時ホント困るよね。
ご機嫌とったり、なだめたり色々するんやけどなかなか飲んでくれなくて…
挙句に泣かせてしまうこともあったりするもんなぁ。
ぱっつん
ホンマに。
早く治してあげたい一心やのに裏目に出てしまって。
ハヤシ
今回は小さなお子さんがいる方なら避けられないケースについて。
お子さんにお薬を上手に飲ませる方法を飲ませる時の注意点を交えてお話しします。
今、小さなお子さんがいるお母さん、もしくはこれからお母さんになられる方は是非ご参考にしてください!
ハヤシ
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
子供にお薬を飲ませる前の基本中の基本!
小さなお子さんの場合、病院が嫌い、お医者さんは怖い、お薬はマズいと思っていることがほとんど。
なかなかこの印象を取り除くことはできませんが、お薬を飲ませる親御さんも一緒になって身構えるようなことはないように。
子供は敏感に親の雰囲気を察知しますので、リラックスして出来る限り自然体でいるように心がけて下さい。
ハヤシ
それ大事やな。
ぱっつん
そして、お薬が飲めたら褒めることを忘れずに。
褒めるという成功体験の積み重ねで子供はお薬嫌いを少しずつ克服するようになります。
間違っても「お薬飲まないと遊んだらアカン!」とか「早く治さないと遊びに行かれへんで!」みたいなプレッシャーをかけるような言葉は発しないように。
ますます薬嫌いになってしまうこともあるので注意しましょう。
飲んでくれないとついついイライラして言いそうやけど、気をつけなあかんな。
ぱっつん
そうやな。
ハヤシ
お薬を飲ませる時のひと工夫!
子供の場合、大人のように錠剤やカプセルを飲むことは困難な場合が多いです。
5歳未満の子供に錠剤やカプセルが処方されることはまずありません。
また、5歳以上であっても喉詰まらせないように注意してあげる必要があります。
確かに子供の場合、粉薬やシロップが多いな。
ぱっつん
そやろ。
ハヤシ
そのため子供の場合粉薬や水剤を処方されるケースが多く、小児用のお薬の場合できるだけ苦みを感じないように工夫されていたり、甘味を追加していたりしますが、子供にとって飲みにくく感じることは当然あります。
そこでここからは子供にお薬を飲ませる時のひと工夫を紹介していきます。
ハヤシ
粉薬を飲ませる時のひと工夫
粉薬の場合、スプーンにお薬を1回分のせ少量の水かぬるい白湯で溶かして飲ませると良いでしょう。
また、乳児の場合には小皿に同じように1回分をとり、少量の水かぬるい白湯で練ってペースト状にしたものを上あごもしくは頬の内側につけた後、哺乳瓶でお水を飲ませて流し込む方法がおすすめです。
ほうほう。
ぱっつん
ただし、お薬を溶かした際はすぐに飲ませないと苦みがきつくなることがあります。
無理につぶしたりして溶かしても、同様に苦みがきつくなることがあるので注意やで。
ハヤシ
それでも飲みづらい場合は、お薬の苦みなどをしっかりとガードしてくれるゼリー状のオブラートをドラッグストアで購入して混ぜて飲ませるのがおすすめ。
それらがご自宅にない場合はジュースやアイスクリームなどに混ぜて飲ませる方法もあります。
しかし、この場合は組み合わせによって飲みにくくなるものもあるのでその一例を下記に示しておきます。
飲みやすくなるお薬 | 飲みにくくなるお薬 | |
牛乳 | 抗生剤:セフカペンピボキシル(フロモックス®)、クラリスロマイシン(クラリス®)、セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、アジスロマイシン(ジスロマック®) | 去痰薬:カルボシステイン(ムコダイン®) |
乳酸菌飲料 | 去痰薬:カルボシステイン(ムコダイン®) | 抗生剤:セフカペンピボキシル(フロモックス®)、セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、アジスロマイシン(ジスロマック®)、抗ウイルス薬:オセルタミビル(タミフル®) |
アイスクリーム | 抗生剤:セフカペンピボキシル(フロモックス®)、クラリスロマイシン(クラリス®)、セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、アジスロマイシン(ジスロマック®)、去痰薬:カルボシステイン(ムコダイン®) | 抗ウイルス薬:オセルタミビル(タミフル®) |
オレンジジュース | 抗生剤:セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、抗ウイルス薬:オセルタミビル(タミフル®) | 抗生剤:セフカペンピボキシル(フロモックス®)、クラリスロマイシン(クラリス®)、アジスロマイシン(ジスロマック®)、去痰薬:カルボシステイン(ムコダイン®) |
スポーツ飲料水 | 抗ウイルス薬:オセルタミビル(タミフル®) | 抗生剤:セフカペンピボキシル(フロモックス®)、クラリスロマイシン(クラリス®)、セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、アジスロマイシン(ジスロマック®)、去痰薬:カルボシステイン(ムコダイン®) |
お茶 | 抗生剤:セフジトレンピボキシル(メイアクト®)、アジスロマイシン(ジスロマック®) | 去痰薬:カルボシステイン(ムコダイン®) |
表.混ぜると飲みやすくなるお薬、飲みにくくなるお薬
最後に一番のポイント!
混ぜているところを見られないこと。
「なんか企んでる!」って子供に思われないように注意してや。
特に好きなものに混ぜてるところを見られると嫌いになっちゃうこともあるで。
ハヤシ
それは困るなぁ~
注意せな!
ぱっつん
水剤を飲ませる時のひと工夫
水剤は飲みやすくすため味付けされていたり、甘味を加えているものが多いですが、
その味や甘味が濃すぎて嫌われる場合もあります。
その際は1回分ずつ容器にとって水で薄めてあげるようにしましょう。
ハヤシ
たまにおられるのが、容器にそのまま口をつけて飲ませる方。
これは衛生上も良くないし、正しい分量を服用できずに飲みすぎたりすることもあるのでやめるように。
ただし、こんな時は要注意!
と、ひと工夫して上手に飲ませようとしても「こんな時はやめておこう」という時があります。
まずは泣いている時。
ハヤシ
泣いている時に無理に飲ませようとすると吐き出したり、誤飲してしまうことがあるのでこんな時は飲ませないようにしましょう。
様子を見て落ち着いてから再チャレンジです!
つぎにぐっすり眠っている時。
ハヤシ
稀に起こしてまで飲ませようとするお母さんがいますが、無理におこしてまで飲ませる必要はありません。
最後にハチミツを混ぜる時。
ハヤシ
甘くして飲みやすくするのにハチミツに混ぜる方がいらっしゃるかもしれませんが、1歳未満の乳児はボツリヌス中毒になる危険を考慮して厚生労働省から通知が出されています。
ハチミツは混ぜないようにしましょう。
まとめ
小さな子供にお薬を飲ませるのはお母さんたちにとっては大仕事。
なだめたり、褒めたり、あるいはイライラしてしまったり…
ただ、お薬を上手に飲むことが出来ない、嫌いな子供の方が圧倒的に多く当たり前のことです。
飲ませれないことに落ち込んだりする必要はありませんし、そんな時にこそかかりつけの薬剤師に相談してください。
きっと薬剤師もあなたに頼っていただけるのを待っているはずです!
ハヤシ
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ