便秘だけじゃないお腹の悩み!下痢で悩むあなたへ原因と対策を薬剤師が解説
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
一般にお腹の悩みというと「便秘」が話題になることが多く、悩んでいる方の多くが女性だったりします。
しかし、当然のことながらお腹の悩みは便秘だけじゃなくて「下痢」も。
そして、下痢に悩んでいる人の多くが今度は男性だったりします。
緊張でお腹が痛くなってトイレに駆け込むのって男の人に結構多いイメージやわ。
ぱっつん
外でお勤めの人が多いからね。
ストレスから下痢になることも十分考えられるし。
ハヤシ
時間や場所を選ばず、急にやってくる下痢の恐怖。
たくさんの人が経験済みのはず。
本来なら下痢は1日や2日で治まるはずですが、吐き気や発熱などを伴うケースもあります。
下痢にはいくつかの原因があり、種類の違う下痢が存在します。
今回は「下痢」について。
その原因と対策、予防を正しく理解するために説明していこうと思います。
大人に限らず、小さなお子さんが下痢に悩むケースもあります。
是非ご参考に!
ハヤシ
下痢の原因とその種類
なぜ下痢になるのか?
まずはそこからお話していこうと思います。
本来、人が食事などで摂った水分や消化液などは腸を通っていくことになります。
そして、その水分のほとんど全部、割合でいうと99%が腸で吸収されます。
ハヤシ
そんなに!
ぱっつん
つまり、便と一緒に出ていく水分は全体のわずか1%ほど。
したがって、何らかの原因でこの1%を超えたり減ったりすることで便は柔らかくなったり、硬くなったりするというわけです。
じゃあ、下痢になる場合のその何らかの原因とはどんなことで?それによってどんな下痢の種類があるのか?
下痢が起こる原因には大きく2つのタイプがあります。
ハヤシ
食べ物などによる水分吸収低下によって起こる下痢
食べ過ぎや飲み過ぎによって腸の水分吸収が低下して下痢が起こる場合があります。
このタイプの下痢は「浸透圧性下痢」と呼ばれ、食べ過ぎや飲み過ぎにより腸の外から水分を取り込もうとする物質が入ってくることで腸の水分吸収が低下。
それによって便が柔らかくなり下痢が起こってしまいます。
例えば、甘いものや脂っこいものの食べ過ぎ。
アルコールの飲み過ぎも。
ハヤシ
えっ!?
ぱっつん
この他に牛乳を飲んだり、乳製品を食べたりする時とか、食物繊維をとり過ぎたりした時に起こる下痢もこのタイプです。
また、一部の下剤(酸化マグネシウムなど)によって起こるケースもあります。
細菌感染やストレスなどによって起こる下痢
生ものや調理してから時間が経っているものを食べたことで下痢を起こしたことはないでしょうか?
こういった食あたりで細菌に感染した時や食物へのアレルギー反応などの影響で腸内に炎症が起こって分泌液が過剰になり下痢を起こすケースがあります。
こういった下痢を「分泌性下痢」といい、他にも解熱剤などの服用で起こることがあります。
ハヤシ
さらにストレスや冷え、暴飲暴食によって神経バランスが崩れて下痢お起こすケースも。
この時、腸の動きが活発になり過ぎて水分の吸収が不十分なまま便が出ることになってしまい、下痢を起こすというわけです。
この場合の下痢は「運動亢進性下痢」と呼ばれていて腹痛を伴うことが多いです。
ハヤシ
下痢も色々あるんやな。
ぱっつん
下痢をストップ!対策と予防
下痢の種類と原因がわかったところで、次にその対策と予防について。
下痢の原因が暴飲暴食や冷えなどハッキリとわかっている場合は、
水分補給を十分行って、からだに優しい消化の良い食事をゆっくりととることで対処しましょう。
1~2日で回復するはずです。
ハヤシ
また、普段から予防するポイントとしては規則正しく1日3食を摂ることがおすすめ。
当たり前のことのように聞こえますが、特に朝食を抜いている人ってすごく多いです。
不規則な食生活は腸に影響を及ぼして消化する能力を低下させ下痢の原因になるので改善しましょう。
ハヤシ
さらに食事については「野菜から食べた方がいい」と順番を決めて食べる人も多いと思います。
わたし、そうしてるけど?
ぱっつん
下痢の場合は消化の良いものから食べる方がいいねん。
例えばご飯から。
ハヤシ
そうなんや。
覚えとこ。
ぱっつん
ただし、血糖値が高い糖尿病患者さんの場合は食後血糖が上がってしまうので注意しましょう。
この他にも整腸剤を使って腸内環境を整える方法もあります。
この場合、先ほど述べたそれぞれの下痢のタイプに合わせてお薬を選ぶ必要があります。
浸透性下痢の場合は原因となっている食べ物や飲み物を止めて、ビフィズス菌などを配合した整腸剤を服用します。
また、分泌性下痢の場合は細菌を除去するため、殺菌作用や吸着作用があるお薬と整腸剤を組み合わせて服用するようにします。
そして最後に、運動機能亢進性下痢の場合は腸の過剰な動きを抑える腸管運動抑制剤を配合したお薬を服用し、整腸剤を組み合わせて使用します。
ちょっとずつ対応が違うんやな。
ぱっつん
下痢でこんな症状が!?医療機関の受診をおすすめするケース
本来、下痢は1~2日ほどで自然と治ります。
しかし、長期間症状が続く場合や激しい嘔吐、発熱、腹痛、血便などが伴っている場合は
他の病気の可能性もあるのですぐに医療機関で診察を受けましょう。
ハヤシ
症状が長引き、慢性的な下痢と判断されるものにはストレスが原因で下痢もしくは便秘が続いたり、その両方を交互に繰り返す過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、大腸ポリープなどが原因疾患として挙げられます。
まとめ
薬局で患者さんの対応をしていると最近は中高年、特に男性の方で下痢に悩んでおられる方は多いように思います。
特にストレスからくる神経性のものが多く下痢や便秘を繰り返しているケース。
ストレスが何かと多くなった世の中ならではかと。
この他にも色々な原因で下痢は起こることが今回のお話で理解できたかと思います。
対策としてはまずは腸内環境を整えてそれを維持することが大切です。
規則正しい食生活を送り、消化の良い食事を摂ること。
そのためには早食いせずに時間をかけて食べることがおすすめです。
なにかと時間に追われることも多い世の中ですが、食事の時ぐらいはお腹のためにもゆっくりと時間をかけてみませんか?
ハヤシ
大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ