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ビオフェルミンやビオスリーたくさんある整腸剤!何が違う?薬剤師が分かりやすく説明してみた

 
ビオフェルミンやビオスリーたくさんある整腸剤!何が違う?薬剤師が分かりやすく説明してみた
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大阪で薬局を営んでいます薬剤師ハヤシです。皆さんの健康をサポートする情報やお薬に関する記事を書いています。趣味はイラスト、スポーツ観戦。普段は、その辺にいる大阪のおっさんです。

こんにちは、薬剤師ハヤシです。

 

整腸剤と聞くと僕たちが真っ先に頭に浮かぶのが「ビオフェルミン®」。

ただ、下痢をしたりお腹がおかしくなった時に病院で処方してもらうお薬はそれ以外のものも多かったりします。

 

抗生剤をもらった時に、ビオフェルミンじゃないやつもらったことあるわ

ぱっつん

そうそう、そうやつ!

ハヤシ

※抗生剤の種類によってビオフェルミンが処方されることもあります。

 

整腸剤はどれも一緒と思われがち。

そのうえ、下痢止めのお薬だったり、胃薬、便秘のお薬と思われている方も少なくありません。

しかし、整腸剤は決して下痢止めや胃薬ではなく、いくつか種類があって含まれる成分が違ったりします。

 

今回はたくさんある整腸剤について。

その違いと用途について説明します。

 

子供から大人まで、ほとんどの方が服用経験のある整腸剤。

ご参考にして下さい。

ハヤシ

 

 

ちなみに前回はこんなお話をしました。

ハヤシ

 

整腸剤に含まれる菌の働き、効果は?

まず整腸剤に含まれて主な成分についてお話していくわけですが...

その前に!

そもそものお話を。

ハヤシ

なんやねん!?

ぱっつん

 

整腸剤は最終的な効果として下痢や便秘、お腹のはりなど消化器の症状を改善するわけですが、これは間接的な効果。

あくまで「腸内環境を整える」ことでこうした効果が得られるのです。

ハヤシ

ほうほう。

ぱっつん

 

もう少し具体的にいうと、1,000種類100兆個以上いると言われる腸内細菌のうち、善玉菌が悪玉菌よりも多い状態「腸内フローラ(腸内に生息する細菌叢)を整える」効果だけを整腸剤は持っています。

 

腸内にいる善玉菌と悪玉菌

腸内にいる細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。

 

その名の通り、悪玉菌は有害物質を作り出し、その数が増えることで下痢や便秘などを引き起こします。

それに対して善玉菌は悪玉菌の増殖を防いだり、腸の運動を促す働きがあります。

 

善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌

 

じゃあ、日和見菌は?

ぱっつん

日和見菌は善玉菌と悪玉菌の有利な方に味方すんねん。

ハヤシ

アンタみたいやな。

ぱっつん

 

善玉菌は悪玉菌が苦手な乳酸や酪酸を作り出すことで、その増殖を防ぎます。

つまり、腸内環境を整えるには善玉菌を増やして乳酸や酪酸をたくさん作り悪玉菌よりも優位にする立つことがカギに!

なるほどね。

ぱっつん

 

整腸剤に含まれる主な菌

というわけで、整腸剤が求められる効果とは「腸内フローラを整える」つまり善玉菌を増やして乳酸や酪酸を増やすこととなります。

実際に整腸剤に含まれる主な善玉菌はビフィズス菌、乳酸菌(ラクトミン)、酪酸菌、糖化菌の4つであり、これらがその効果を得るのに一役買うというわけです。

 

★ビフィズス菌

善玉菌の代表格。

ハヤシ

これは知ってる。

ぱっつん

 

乳酸菌の仲間で乳児の腸内に特に多く存在します。

 

発行することで乳酸、酢酸を産生して腸内環境を整えます。

ただし、「酸に弱い」という弱点があります。

 

★乳酸菌(ラクトミン)

発酵食品や乳製品の一部にも含まれる善玉菌。

発酵によって糖から乳酸を作り出します。

 

ビフィズス菌と一緒やと思ってた。

ぱっつん

ビフィズス菌も乳酸菌の仲間やけど、乳酸のほかに酢酸を作るから別の分類にされてるねん。

ハヤシ

 

ビフィズス菌と乳酸菌の違い

腸内フローラを整える以外にも免疫機能を高めてがんの予防したり、コレステロールの低下を行うなど様々な働きがあると考えられています。

 

★酪酸菌

主に酪酸を産生する善玉菌。

他には酢酸を作り出します。

ちなみに酪酸を作ることが出来るのは酪酸菌だけです。

ハヤシ

 

酪酸菌が作る酪酸は、他の善玉菌の作用を増強させる働き(乳酸菌、ビフィズス菌が住みやすい環境を作る)があります。

 

★糖化菌

主に乳酸菌、そしてビフィズス菌の増殖をサポートする善玉菌。

酸にも強い傾向を示します。

 

それぞれの整腸剤に含まれる成分と違い

ここまでのところで整腸剤に含まれる善玉菌であるビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌、糖化菌の特徴を説明しました。

僕たちがよく知っているビオフェルミン、それから病院で処方されることが多いビオスリーやミヤBMなどはこれらの善玉菌が含まれる種類、組み合わせ、量が異なります。

 

以下に主な整腸剤とその成分、含量をまとめてみました。

 

薬剤名成分と含量
ビオフェルミン錠ビフィズス菌12mg/錠
ビオフェルミン配合散ラクトミン(乳酸菌)6mg/g、糖化菌4mg/g
ビオスリー配合錠ラクトミン(乳酸菌)2mg/錠、酪酸菌10mg/錠、糖化菌10mg/錠
ビオスリー配合散ラクトミン(乳酸菌)10mg/g、酪酸菌50mg/g、糖化菌50mg/g
ミヤBM錠宮入菌(酪酸菌)末20mg/錠
ミヤBM散宮入菌(酪酸菌)末40mg/g
ラックビー錠ビフィズス菌10mg/錠
ラックビー微粒Nビフィズス菌10mg/g

 

このように整腸剤の成分や含量に違いはあるものの、適応症はほぼ一緒。

そして、各製剤を比較するような大規模な試験は行われておらず、実は...

明確な使い分けは確立されていないんです。

ハヤシ

マジ?

ぱっつん

 

例えば、ビオフェルミンとビオスリーの間にお薬としての働きに大きな違いはありません。

 

どの製剤が患者さんにとって一番効くのか?は、個々のお腹の状態や常在菌の状態が目に見えないので判断つかない部分があり、飲まないとわからないということを否定することは出来ません。

したがって、服用してみて変わらない、改善しないなら別の薬を試すというのが現状の使われ方です。

 

まとめ

整腸剤とひとくくりに言っても、その種類はたくさんあるわけで含まれる成分や組み合わせも様々であると理解していただけたと思います。

しかし、一方でどのお薬が患者さんに合うのか?それは試しながら探すといった感じです。

 

最近は「腸内フローラを整える=腸活」という言葉が代表されるように腸内の善玉菌を増やすことで健康の促進を意識する人が増えてきました。

そして腸内フローラを整えることは便秘や下痢を改善するだけでなく、様々な病気の予防としても注目されています。

 

食事や運動、睡眠も当然、腸内フローラを整えるのに欠かせないものですが、今回説明した整腸剤もその一端を担います。

今回の内容を是非参考にしていただいて、急な腸の症状や腸活に役立てていただければと思います。

ハヤシ

 

 

大阪、寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ハヤシ

 

参考:各製剤 添付文書、厚生労働省e-ヘルスネット健康用語辞典「栄養・食生活」

 

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