便秘で悩んでいない?ちゃんと便秘を知って正しい便秘薬を選ぼう!
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
たくさんの女性やお年寄りが悩んでいる「便秘」。
お腹がはったり、ちょっとしか出ずにまだ残っている感じがしたり...
時には肌荒れを起こすことだってあります。
便秘の定義は一つに決まったものはありませんが、例えば日本内科学会では「3 日以上排便がない状態, または毎日排便があっても残便感がある状態」とされています。
便が出ていない状態や回数が少ないのはもちろんやけど、不快に感じたり、便ができっていない感じがするのも「便秘」ってことやな。
ハヤシ
それやったら、私も便秘かも!?
ぱっつん
便秘の症状も、そしてその原因も様々。
したがって、解消方法もそれぞれに合ったものでなければいけません。
今回はたくさんの人が悩む「便秘」について。
その種類を知って、正しい対処法及び便秘薬の選び方を紹介します。
便秘に悩むあなた!
是非ご参考に。
ハヤシ
こりゃ、必見やな!
ぱっつん
ちゃんと知っておこう!便秘の種類
便秘は大きく2つに分類されます。
1つ目は機能性便秘。
ハヤシ
そもそも腸の動きは自律神経で支配されていて、便を外に送り出すための腸のぜん動運動は食べた物が胃に入った時点で反射的に始まります。
しかし、何らかの原因でこの自律神経がバランスを崩して腸の動きが上手く出来なくなる機能不全がおこることが...
これが機能性便秘です。
一般的に言われてる便秘っていうのはこれなんや。
ハヤシ
ほうほう。
ぱっつん
また、機能性便秘はさらに「弛緩性便秘」「けいれん性便秘」「直腸性便秘」の3つに分類されます。
便秘その1 弛緩性便秘って?
高齢者や女性に多いのがこの弛緩性便秘。
運動不足や水分不足、腹筋の低下などが主な原因。
過度なダイエットによっても起こります。
わたしの場合、ダイエットが原因かもな。
ぱっつん
(ノーコメント)
ハヤシ
大腸の運動機能が低下して便が長い時間とどまってしまう便秘で、そのため水分が吸収され便が固くなるのが特徴。
腹痛よりもお腹の張りが症状として現れることが多いようです。
長時間のデスクワークなどのお仕事をしてる人も注意しましょう。
ハヤシ
便秘その2 けいれん性便秘って?
緊張やストレスを感じやすい方に起こりやすいのがけいれん性便秘。
女性に多い他の便秘と違い、お仕事のストレスの多いサラリーマンにも起こります。
自律神経のバランスを崩してしまうことが原因。
大腸が過度の緊張によってけいれんし、便がうまく運ばれないようになってしまいます。
現代病のひとつかも。
ハヤシ
う~ん確かに。
ぱっつん
結果、コロコロしたウサギの糞のような便に。
排便後もお腹の張りが残ったり、下腹部の痛みや残便感を感じることもあります。
また、下痢と便秘を繰り返すことが多いのもこの便秘の特徴です。
過敏性腸症候群の便秘もこれに含まれると考えられています。
ハヤシ
便秘その3 直腸性便秘って?
高齢者だけでなく、寝たきりの方や痔などで排便を我慢することの多い方などにみられるのが直腸性便秘。
排便を我慢し過ぎたり、浣腸を乱用することで便意を感じにくくなってしまいます。
本来、便が直腸に達すると便意を催しますがそのリズムが崩れて直腸に便が溜まってしまうのがこの便秘の特徴。
我慢するのが習慣化してしまうことから、習慣性便秘とも言われてんねん。
ハヤシ
なんか普通にありそうで怖いな。
ぱっつん
これら機能性便秘の他に、
もう1つの分類とされるのが「器質性便秘」。
ハヤシ
胃や腸の病変が原因で起きる便秘のことを指します。
このような便秘の場合は下剤を使用してはいけないことがあるので自己判断せずにきちんと診察を受ける必要があります。
間違えちゃダメ!正しい便秘薬の選び方
ひと言で「便秘」と言っても、これまでお話ししたようにいくつかの分類があります。
そして、便秘の治療薬はそれらの症状によって正しく使われなければいけません。
便秘に使われる治療薬はたくさんの種類がありますし、市販薬として購入できるものも多いです。
自分の症状に合ったお薬を選ぶためにも、医師や薬剤師に相談しましょう!
ハヤシ
便秘薬その1 弛緩性便秘の解消と治療薬
機能性便秘のうち弛緩性便秘は、前述したように大腸の中に便がとどまり硬くなっている状態。
そのため、まずは便を柔らかくする下剤(酸化マグネシウムなど)を使用します。
そののち、鈍くなっている大腸の運動機能を改善するために消化管運動を促進する薬(モサプリドクエン酸塩水和物など)を。
これらの治療を行っても効果がない、弱い時には腸を刺激してぜん動運動を起こさせる刺激性の下剤(センナ、センノシド、ダイオウ、ビコスルファートナトリウムなど)を用います。
ただし、この刺激性の下剤は慢性便秘の治療薬ではないので継続した使用は避けないといけません。
お薬以外の改善方法としては運動不足を解消するウォーキングやストレッチ、おへそをのぞき込むようにして状態を上げる腹筋トレーニングなどもおすすめです。
運動が苦手な方はお腹に「の」の字の描くマッサージなんかも良いで。
ハヤシ
おぉ、赤ちゃんにやるマッサージみたいやな。
ぱっつん
便秘薬その2 けいれん性便秘の解消と治療薬
けいれん性の便秘はほとんどがストレスから起こるものです。
大腸の緊張が高い状態なので、刺激性の下剤や浣腸(グリセリン浣腸など)を使うのはNG。
ハヤシ
まずは生活改善が基本となります。
睡眠不足や不規則な生活リズムを直すことからはじめて、ストレスを軽減させましょう。
軽度な運動や入浴でリラックス効果をねらうのもおすすめです。
便を柔らかくする下剤や乳酸菌製剤が有効な場合もあります。
ハヤシ
便秘薬その3 直腸性便秘の解消と治療薬
直腸性便秘の場合、まずは直腸に溜まっている便を出すために浣腸、もしくは坐薬(炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム配合剤など)を用います。
これで便は排出されれば、これらのお薬は中止。
次に排便の習慣をつける意味で、便を柔らかくするお薬を用います。
ただし、この便秘の場合は便秘薬を常用することはかえって症状を悪化させることがあるので注意です。
ハヤシ
気をつけなアカンな。
ぱっつん
まとめ
便秘に悩む人々はたくさんいますが、一般的な便秘と言われるものは生活習慣が崩れていたり、ストレスによるものがほとんど。
つまり、便秘薬を使う使わないに関わらず、まずはこれらの原因を改善することが必要なんや。
ハヤシ
確かにそうやな。
ぱっつん
3食しっかりと食べること、食物繊維をしっかりととること、睡眠不足にならないようにすること、適度な運動をして腹筋力を鍛えること、我慢せずに便意のある時はトイレに行くことなどなど。
どれも当たり前なことですが、それらを当たり前のようにすることがとても大切です。
まずはこれらを意識して生活改善をはかったうえで、自分の症状にあった便秘薬を正しく選び使うように。
間違った便秘薬を選んだり、乱用することはかえって症状を悪化させることがあります。
疑問があったり、心配な時はいつでも医師や薬剤師に相談してしてください。
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ