ジェネリック医薬品と先発品、その違いを正しく理解してる?「同等」「違い」を解説
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
みなさんは、ジェネリック医薬って知っていますか?
ぱっつん、ジェネリックって知ってる?
ハヤシ
うん、知ってるで。
安いやつやろ。
薬局で勧められたことあるし、実際に飲んだこともあるわ。
ぱっつん
このように一般には「ジェネリック医薬品=安いお薬」というイメージが先行しています。
そのため、患者さんの中には「安いってことは、ジェネリック医薬品って効かないんじゃないの?」なんて思っている人も正直少なくありません。
実際はそういう人も多いかもね。
ハヤシ
そんな気するなぁ~
ぱっつん
しかし、ジェネリック医薬品は先発品と同一成分、同一量のお薬。
その効果も同等と確認されたものです。
今回はジェネリック医薬品について。
先発品との違いも踏まえながら、解説していきたいと思います。
今後、薬局等で勧められることも多いと思うので正しい知識を得るためのご参考に!
ハヤシ
ジェネリック医薬品(後発品)って何?
そもそも先発品と言われる医療用医薬品は、治験と言われる臨床試験で安全性と有効性を確認して承認を受け、販売されます。
その期間は10~20年くらい。
費用にいたっては数百億とも言われてんねん。
ハヤシ
数百億!?
そんなかかんの?
ぱっつん
そのため、承認後販売された先発品はこの巨額の開発費に加え、特許料や情報提供に関する費用なども加算されるためお薬の値段(薬価)は高額になることが多くなります。
そりゃそうかぁ~
ぱっつん
これに対して、ジェネリック医薬品は先発品の特許期間および再審査期間が過ぎた時点で同じ成分を使用して製造販売できるようになったお薬。
先発品と同じ成分を同じ量含んでいること、同等の効果が得られるものであることを確認されたお薬です。
そして、開発費。
当然のことながら、その費用は圧倒的にかかりません。
だから、薬価は先発品よりも安く設定できるってわけ。
多くのものは5割。
ものによっては4割になるジェネリック医薬品もあるねん。
ハヤシ
なるほど。
だから安いんや。
ぱっつん
ジェネリック医薬品と先発品の違いは?
では、ジェネリック医薬品と先発品は全く同じお薬なのか?それとも違いがあるのか?
もし違うなら、それはいったいどんな違いがあるのか?
多くのジェネリック医薬品は先発品に対して「同等」のお薬と表現されます。
ハヤシ
同等?
ぱっつん
お薬の構造は大きく「有効成分」と「添加剤」に分けられます。
先ほどお話したようにジェネリック医薬品は先発品と比べて有効成分が同一で同容量ですが、多くの場合添加剤が異なります。
だから、ジェネリック医薬品は先発品と比べて「全く同じ」とは表現せずに「同等」と表現されるってわけ。
ハヤシ
なるほど。
ぱっつん
添加剤には薬効はなく、人に対する安全性を確認されたものだけが使われていて、各製造メーカーによって使用する添加剤も異なることがあります。
メーカーによって色や味、大きさ、形、香りが違うこともあるねん。
ハヤシ
前もらってたのと大きさが違う時あった!
ぱっつん
製造メーカーによってはあえて味を変えたり、サイズを小さくすることで先発品よりも飲みやすくする工夫をしているケースもあります。
他にも水なしでも飲めるように工夫されたものもあり、こうしたお薬を選ぶこともジェネリック医薬品を選ぶメリットのひとつです。
形や味が変わったからと言って違うお薬と言うはわけではなく、有効成分、用量は同じで同等の効果を得ることが出来るお薬なのです。
国の医療費が年々高騰する中、医師も薬剤師もそれを抑制するためにジェネリック医薬品をおすすめすることが多くなっています。
また、保険組合からジェネリック医薬品をできる限り使うように通知が来たことのある方も多いのではないでしょうか?
国の医療費を削減するために可能な限りご協力していただきたいのはもちろんですが、患者さんの負担もかなり抑制することもできます。
しかし、仮に「この味苦手」「大きさが違ってなんか飲みにくい」などの不満がある場合は処方箋の記載内容によってはもともともらっていた先発品を選ぶことや他のジェネリック医薬品を選ぶこともできるのでその場合は薬剤師によく相談するようにしてください。
処方箋の描き方によって出来る場合と出来ない場合があるから、よく相談してね。
ハヤシ
了解!
ぱっつん
オーソライズド・ジェネリック(AG)って知ってる?
先程からお話ししているようにジェネリック医薬品の多くは先発品と同等のお薬です。
しかし、そうではない先発品と「全く同じ」であるジェネリック医薬品も一部存在します。
これを「オーソライズド・ジェネリック(AG)」って言いまんねん。
ハヤシ
オーソライズド?
ぱっつん
AGとは「認可された」ジェネリック医薬品。
先発品を開発製造したメーカーからその権利を許可されて製造しているもので、有効成分はもちろん添加剤、製造方法も全く同じ医薬品のことを言います。
したがって、今まで先発品を服用していた患者さんも安心してジェネリック医薬品に切り替えることができます。
ただAG以外のジェネリック医薬品と比べるとやや高額になりますが、先発品に比べると安くて全く同じお薬を飲めるというメリットがあります。
まだまだAGが販売されていない品目も多いですが、ジェネリック医薬品を選ぶ際は薬剤師に一度聞いてみるといいでしょう。
ハヤシ
安くて全く同じお薬が飲めるんやったらその方がいいやん。
今度、聞いてみよ!
ぱっつん
まとめ
私たちが病院へ行き薬局でお薬をもらう際、ジェネリック医薬品を選択するケースは非常に増えてきました。
国の医療費を抑制するためにすすめられることも理由ですが、私たち自身の負担額を減らすというメリットもあります。
そんな中、ジェネリック医薬品はただ安いだけでなく、その効果は先発品と同等であり安全性も確認されたものであること。
そして、ものによっては先発品よりも飲みやすくなっているものもあることなど正しく理解していただきたいと思います。
これからあなた自身が実際にお薬をもらう際に先発品を選ぶのか、ジェネリック医薬品を選ぶのかの判断に少しでも参考になればと思います。
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ