3人に1人が悩んでる「痔」の原因、症状、薬の選び方を解説!お尻のトラブル回避の仕方
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
日本人の実に3人に1人が悩んでいるとされる「痔」。
あなたの家族、周りの友人、知人の中にも苦しんでいる方がいらっしゃるかもしれません。
座るのを辛そうにしてる友達おるわ。
ぱっつん
ぼくの周りにもおる。
ハヤシ
「痔」というと生活習慣や女性であれば出産が原因でなられる方が多いイメージですが、ストレスも原因となることから現代病とも言え、誰しもなる可能性が高い疾患とも言えます。
それでいて自分が痔であることに対して「恥ずかしい」気持ちがあり、なかなか市販薬の購入や病院の受診をためらってしまう傾向が。
その結果、症状はさらに悪化してしまうなんてことも...
恥ずかしい気持ちが強くて、病院行くのハードル高いと思うわ。
ぱっつん
確かに。
でも、市販薬を使ったりして早く対応すれば軽く済む場合も少なくないんやで。
ハヤシ
今回は「痔」について。
その種類と原因、そしてお薬の選び方、使い分けについてお話しします。
今や誰しもなる可能性のある「おしりのトラブル痔」を理解するためにぜひ参考にして下さい。
痔の種類と原因とは?
まずは痔の種類と原因について。
対処法を知る前に、敵のことをよく知ることが大切!
ハヤシ
痔の種類は主に肛門の出口付近が切れてしまう「きれ痔」、肛門の内側あるいは外側にいぼ状の腫れができる「いぼ痔」、肛門周囲の皮膚と直腸の間にトンネルができて膿がたまり慢性化する「痔ろう」があります。
きれ痔
「きれ痔」は排便時の痛みと出血が特徴。
便が硬く無理に出してその勢いで切れてしまうことが原因で起こることが多いですが、逆に下痢が続くことによる炎症で起きることもあります。
なったことある人、結構多いんちゃう?
ぱっつん
お腹痛くて何回もトイレ行ってるうちに…
って人も多いやろうね。
(←経験者)
ハヤシ
特に便秘で苦しむ女性に多い痔の症状です。
いぼ痔
「いぼ痔」は肛門の内側にできる「内痔核」と外側にできる「外痔核」があります。
「内痔核」は痛みがほぼなく気付かないことが多いですが、出血したり肛門から飛び出して気づくことに。
トイレに座っていきむ時間が長い人や同じ姿勢で長時間いることが多い人、妊婦さんや出産をされた方に見られる時の症状です。
出産した友達がなってた。
ぱっつん
これに対して「外痔核」は出血はほとんどない一方で、いぼ状の腫れによって急激な痛みを感じるケースも。
原因としては便秘や下痢、アルコールの摂り過ぎ、辛いものの食べ過ぎ、ストレス、冷えなど様々なものが挙げられます。
めっちゃ痛そうにしてる人いてるもんなぁ~。
ぱっつん
アルコール気をつけや。
ハヤシ
痔ろう
最後に「痔ろう」は周囲の皮膚が腫れたりして痛みを感じます。
場合によっては発熱を伴うことや膿がでて下着を汚したりすることもあり、治療としては手術。
下痢やストレスが原因で起こることが多いようです。
ストレスでもなるんや!?
ぱっつん
どの「痔」が一番多い?男性と女性どっちがなりやすい?
これらを男女別に見て見ると、男女ともに痔の患者のおよそ半数が「いぼ痔」。
男性は次いで「痔ろう」、そして「きれ痔」と続き、女性は「きれ痔」「痔ろう」の順になります。
つまり、痔で苦しんでいる人の多くが男女問わず「いぼ痔」に苦しんでいるということになります。
ハヤシ
そして、男女間で痔のなりやすさに差があるのかというと…
決してそうではなく、また年齢による差もほぼないと言われています。
痔は男女関係なく幅広い年齢層で起こる可能性が高いものと言えます。
ハヤシ
痔のお薬とその使い分け
では、以上のような時に対してどんなお薬があってどう使えばいいのかについて説明していきます。
痔のお薬には内服薬も外用薬もありますが、多くの場合OTC医薬品も医療用医薬品も外用薬を使うことが多いです。
外用薬使うイメージあるわ。
ぱっつん
痔のお薬:外用薬
外用薬は軟膏、坐剤、注入軟膏の3種類。
いずれも抗炎症作用や傷を修復して症状を改善します。
抗炎症作用にはステロイドを痛みを抑えるために局所麻酔薬リドカインを配合しているお薬があります。
また、お薬によってはこれらの他に殺菌作用や止血作用を持つ成分を含むものがあります。
結構色々な成分がはいってるんやな。
ぱっつん
剤形の違いにより対象となる痔の症状に違いも。
軟膏は主にきれ痔や外痔核が対象になり、坐薬は内痔核が対象になります。
そして、注入軟膏はきれ痔、内痔核、外痔核が対象となり一番幅広く使用することが出来ます。
注入タイプは直接手に触れへんから衛生的にもいいよね。
ハヤシ
なるほど。
ぱっつん
痔のお薬:内服薬
痔のうち、いぼ痔は肛門の周囲や内側の血流が悪くなったため腫れが起こった結果。
痛みや出血といった症状が起こりますが、これを改善する方法は患部を温めるのと
内服薬を飲んで血流を良くする方法があります。
ハヤシ
血流を改善することで腫れが改善されるほか、抗炎症作用や止血作用を持つお薬もあります。
今からできる痔の対策!
最後にお薬のお世話になる前にそもそも痔にならない予防策をご紹介します。
便秘、硬い便の予防
きれ痔の原因になる便秘。
便が硬くなることで肛門を傷つけてしまうので、まずは便秘にならない予防策が大切です。
食事面では腸内環境を整えるためにヨーグルトなどを食べたり、食物繊維を採ることが挙げられます。
当然ですが、水分もしっかりととりましょう。
また、女性に多い過度なダイエットは便意を鈍らせてしまうことに。
結果、便秘になりやすくなってしまいます。
あんまりダイエット頑張らんとこ。
ハヤシ
あんたは頑張れ!
ぱっつん
さらに暴飲暴食も硬い便を生じやすくなるので避けるように。
反省します。
ハヤシ
これについては同じく。
ぱっつん
肛門への負担を避ける
肛門に負担をかけ、血流を悪くすることでいぼ痔が起こりやすくなります。
それを回避するための予防策としては長時間同じ姿勢をとり続けない事。
デスクワークが長時間に及んだり、トイレで長くいきんだりすると肛門に負担が。
間に休憩を入れて姿勢を変えたり、トイレの時間を5分程度までと習慣づけておくようにするのがおすすめです。
トイレで携帯いじったりせずに短時間で済まさなアカンかもよ。
ハヤシ
ギクッ
ぱっつん
お尻を清潔にしておこう
特にトイレあとはお尻を綺麗にすることが重要。
ただし、排便後に皮膚を刺激するような強さでゴシゴシ拭かない事。
優しく拭いて、それでも汚れが摂れない時はウォシュレットの温水機能を使って綺麗に。
この際は水圧をきつくし過ぎないように注意しましょう。
また、お風呂もシャワーで済ますのではなく入浴することが大切。
入浴によってお尻は清潔になり、温められることで血流の改善効果もあります。
お風呂入るの重要なんやね!
ぱっつん
この他にも適度な運動で腸の動きを活発にしたり、しっかり睡眠をとることでストレスを回避することも痔の予防効果となります。
まとめ
今や日本人の3分の1がなっていると言われる痔。
今はなっていなくても誰もがこの先なる可能性は高いと言えます。
そんな痔は普段から生活環境を整えたり、ちょっとした予防をすることで十分に防ぐこともできますし、たとえなったとしても早期にお薬を使って対応すれば改善することもできます。
だからこそ「もしかしたら!?」と思ったら、早めに対応すること。
恥ずかしい気持ちもわかりますが、この感情が痔を悪化させる原因であることも事実です。
あなた自身や周りに悩んでいる方がいるなら、この記事を読んで参考にしていただけると幸いです。
大阪の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ