目薬の正しい使い方を知らずに適当に使ってない?色んな疑問と一緒に答えてみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
年が明け早いもので1月ももう中旬に差し掛かろうとしていますが、そろそろ花粉が飛び交う季節。
関東ではすでにスギ花粉が飛んでいるようですし、僕の住む関西でもそろそろスギが、そして1月後半になるとヒノキの花粉が飛び始めるようです。
敏感な人はすでに目や鼻のかゆみを感じてない?
ハヤシ
そういえば、最近目が少し痒いような...
ぱっつん
こういったアレルギーを持った人が目のかゆみに対してよく使うのが目薬。
毎年ひどい目にあっている(?)人ならかかりつけの病院で症状が出る前に早めに処方してもらっているでしょうし、そうでなく市販薬を購入する人もいるでしょう。
そんな私たちにとって身近なお薬である目薬ですが、意外とその使用方法や保管方法など知らないまま使っている人は少なくありません。
そこで今回は目薬に対する疑問や不安をスッキリさせて、正しく使ってもらうための解説をしていきたいと思います。
「目薬なんてさすだけやん。使い方なんてわかるから大丈夫!」
なんて思ってない?
お薬なんやから副作用が起こることもある。
正しく使ってその効果をきちんと得れることが大切なんや。
ハヤシ
確かに。
ぱっつん
是非ご参考にしてください!
目薬と正しく付き合おう!点眼方法や保管方法を解説
目薬ってその使い方や保管の方法をわかっているようでわかっていない方が多いようです。
目のかゆみやそのほかの症状がある時にパッパッと使って、あとはカバンの中や冷蔵庫に入れっぱなし...
また、しばらくして症状が出たらさすみたいになっていませんか?
うっ!?
ぱっつん
(身に覚えありやな。)
ハヤシ
目薬だってれっきとしたお薬。
使用方法や保管方法を間違えれば、副作用がでたり、本来得られるはずの効果が得られないことだってあります。
目薬って、どのくらいさせばいい?
昔、結膜炎のひどい患者さんが「早く治したいから」と医師の指示通り使用せず、一度にたくさんの量を点眼。
回数も指示された回数以上点眼してて...
ハヤシ
それはアカンやろ。
ぱっつん
そうやねん。
目薬を1回にさす滴数って、1滴で十分。
当たり前やけど、回数も医師の指示もしくは一般用医薬品なら添付文書やパッケージに書いてある指示を守らないとあかん。
ハヤシ
えっ、1滴で十分なん!?
ぱっつん
目に目薬をさした時、目薬が目の奥へと浸透していくルートは決まっています。
まずはまぶたの下の袋状の部分にたまり、そこから徐々に浸透していくのです。
そのため、いくらたくさんの目薬をさしたとしても袋状の部分にたまることのできる量は決まっているのであとはあふれるだけ。
全く意味がなくなってしまうのです。
ですから、基本的には1滴で十分。
特に医師や薬剤師に指示された場合でもその用量以上さす必要は決してありません。
さした後は目をぱちぱち瞬きしないように!
1分ほど目を閉じたり、目頭を抑えるようにすることでお薬の効果がしっかりと得られるようになります。
ハヤシ
目薬はとにかく冷蔵庫!?
一般の方で目薬を冷蔵庫で保管している人は非常に多いです。
うちのおかんも冷蔵庫にしまってるわ。
ぱっつん
あるあるやな。
ハヤシ
ほとんどの場合、冷蔵庫での保管は問題ありません。
なるべく日の当たらない涼しい場所、つまり「冷暗所」と言われる場所に保管する方が目薬は良いからです。
例えば、長距離の運転で目が疲れるからと目薬をさす方がいますが、中には車中に置きっぱなしなんて人も。
これは当然NGです。
また、冷蔵庫に保管する場合でも凍らせないように注意する必要があります。
目薬に対するよくある疑問
ここからは、実際に僕が現場で受けたことのある質問についてまとめてみました。
きっと、あなたも一度は疑問に思ったり、迷ったことのある事例があると思います。
是非、今後のご参考に!
コンタクトレンズをつけたまま目薬をさしてもいいの?
「この目薬ってコンタクトつけたまま使えるの?」
そう聞かれることは少なくありません。
ハヤシ
よく迷うやつや!
ぱっつん
コンタクトレンズをつけたまま使用できる目薬としては人口涙液(防腐剤を含まないタイプ)があります。
しかし、それ以外のものについてはコンタクトレンズは外して使用するようにしましょう。
問題を引き起こすものの1つとして挙げられるのが防腐剤。
防腐剤はコンタクトレンズに吸着されやすいねん。
一旦吸着されちゃうと、その分長い時間角膜に触れることになるやん。
だから、角膜障害も起こりやすくなるねん。
ハヤシ
えっ、そうなんや。
ぱっつん
これ以外にも目薬に含まれている有効成分や保存剤が同じようにコンタクトレンズに吸着されて副作用が起こったり、目に刺激を与えることがあるので注意しましょう。
正しくはコンタクトレンズを外してから点眼。
5~10分ほど経ってから装着するようにしましょう。
ハヤシ
目薬はどのくらいもつの?
目薬も他のお薬と同様に「どのくらいもつの?」ってよく聞かれます。
医療用医薬品の目薬であれば、必ずボトルに使用期限が書かれています。
間違っちゃいけないのは、この使用期限は開封していないことが前提。
一旦開封してしまったら、この限りではないんやで。
ハヤシ
開けた後もいけると思ってた...
ぱっつん
では開封後、どのくらいを目安に使えばいいのか?
開封された目薬は雑菌が入り込んで汚染されたり、濁りがでることがあります。
したがって、病院で医師に処方された目薬であれば約1カ月、市販されている目薬であれば約3カ月を目安にしてください。
ただし、前述したように濁りや浮遊物があるような場合は絶対に使用しないように。
目薬を2つ処方されたけど、さす順番ってあるの?
人によっては眼科にかかり2つ以上の目薬を処方されたり、目薬と眼軟膏を処方されることがあります。
この時、医師や薬剤師からその順番の説明を受けることとなります。
ちょっと難しくなるのですが、目薬にもいくつかの分類があって水溶性点眼薬、懸濁剤、ゲル化剤、角膜保護剤に分けられます。
ほとんどの目薬が水溶性ですが、それ以外のこれらのものが処方された場合は水溶性、懸濁剤、ゲル化剤、角膜保護剤の順番で5分以上間隔をあけて点眼するようにしましょう。
水溶性のものだけが2つ以上出された場合は順番は関係なく、間隔を5分以上とって点眼したらいいよ。
ハヤシ
オッケー。
ぱっつん
また、眼軟膏が処方された場合はすべての目薬を点眼した後に眼軟膏を塗るようにするのがおすすめです。
まとめ
目薬は市販薬を購入される方も多く、お薬の中でも特に私たちにとって身近なもの。
今回はその目薬について正しい使い方など説明させていただきました。
身近である反面、意外と知らない事や普段感じたことのある疑問も含まれていたのではないでしょうか?
ハヤシ
結構あったわ。
ぱっつん
これから花粉の季節がやってきます。
多くの人が目薬を点眼されることと思いますが、是非今回の内容を参考にしていただければ幸いです。
また、緑内障の診断を受けている人など一部の人は症状が悪化する恐れがあるため、気軽に一般用医薬品を買えない方もいます。
そういった診断を受けたことのある方は必ず眼科医の診察を受けて適切なお薬を処方してもらうようにしましょう。
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ