ビタミンって何?ビタミン剤の効果は?副作用あるの?サプリメントは?スッキリ説明してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
「ビタミンって何?」と改めて聞かれると
え~っと?
ぱっつん
なんてなる人も多いかと。
コンビニに行くと「マルチビタミン配合!」なんて飲み物が置いてあって「じゃあ、健康のために」と購入した経験ありません?
さらに肌荒れや口内炎ができたりすると「ビタミン不足ちゃう?」なんてオカンに言われたり。
それなのに実はビタミンについて意外と知らないことが多かったりします。
「ないよりあった方がいいんやろうな~」くらいに思ってるかな。
いつも。
ぱっつん
実際にはみんなそうやろな。
ハヤシ
意外と知らないビタミンの正体。
いったいどのくらい私たちの体に必要なものなのか?
どんな効果があって、ビタミンにも副作用ってあるのか?
そこらへんを今回はスッキリ説明していきます。
私たちにとって、とっても身近なビタミンのお話。
是非ご参考に!
ハヤシ
前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
ビタミンとは?
ズバリ、ビタミンって何なのか?
三大栄養素って聞いたことある?
ハヤシ
なんか学校で習ったような...
ぱっつん
私たちには生きていくうえで必要な「たんぱく質」「糖質」「脂質」といった三大栄養素が存在します。
これらは私たちの体の組織やエネルギー源に。
ほうほう。
なんかそんなんやったかも。
ぱっつん
それに対してビタミンはミネラルとともに体の組織をスムーズに働かせ体の調子を整える役割を担っています。
そのため、ビタミンやミネラルは「微量栄養素」や三大栄養素と合わせて「五大栄養素」なんて呼ばれることも。
つまり、体の調子良くするための「潤滑油」ってわけ。
だから、「ないよりあった方がいい」じゃなくて必要不可欠なものやねん。
ハヤシ
そんなに大事なんやなビタミンって!
知らんかったわ。
ぱっつん
ビタミンの種類とその効果
一口にビタミンって言ってもたくさんの種類があります。
ビタミンAとかBとかCとかやろ。
ぱっつん
そうそう。
例えば、ビタミンBの中にもB1、B2、B6てな感じでさらにたくさんあるからね。
ハヤシ
そして、たくさんあるビタミンにはそれぞれの作用があります。
ビタミンA(皮膚や粘膜、目のビタミン)
ビタミンAは卵黄、バター、レバーや乳製品などに含まれています。
その働きとしてよく聞かれるのが視力の維持、機能の改善。
目にいいって聞いたことある!
ぱっつん
特に暗いところでの視力維持の作用を持っています。
そのため、欠乏してしまうと暗闇で視力低下が起きてしまう夜盲症(とり目)のリスクが高まることが。
他の効果としては皮膚や粘膜の保護をし角化を防ぐこと、そして抗酸化作用により発がんを防ぐ可能性もあると言われています。
ビタミンB
ビタミンBは「ビタミンB群」と言われ、たくさんの種類があります。
そして、ひとつだけで作用するのではなくお互いを助け合いながら効果を発揮します。
私達の体の中ではいつも色々な化学反応が起こっているわけですが、その反応を引き起こすのが酵素と言われるたんぱく質。
そして、その酵素をさらに手助けしているのがビタミンB群です。
へぇ~
ぱっつん
ビタミンB1(疲労回復、神経のビタミン)
豚肉、にんにく、大豆などに含まれ、神経機能の維持、糖分やアルコールの分解に効果を示します。
そのため、お薬として用いられる際には神経痛や筋肉痛、関節痛などに適応されます。
また、不足するとむくみやしびれが出たりすることも。
特にアルコールをたくさん飲む人はビタミンB1が不足しがちになるので注意です。
らしいよ。
ハヤシ
...
ぱっつん
ビタミンB2(お肌と粘膜のビタミン)
レバーや納豆、牛乳に含まれ、皮膚や粘膜の保護、脂質の分解、糖分の代謝に効果を示します。
不足すると皮膚や目に症状が現れることが。
疲れ目や目の充血、皮膚の炎症、口内炎が起きることがあります。
ハヤシ
ビタミンB6(お肌と神経のビタミン)
肉類、魚類、卵などに含まれ、神経機能の維持や皮膚の抵抗力を高めたり、アミノ酸をエネルギーに変える際に効果を発揮します。
不足すると神経が過敏になったり、口内炎や皮膚炎を起こすことがあります。
ビタミンB12(血を作ったり、神経のビタミン)
レバー、肉類、魚類、貝類などに含まれ、葉酸とともに赤血球の生産に重要な働きをします。
他には神経細胞を修復することにも効果を発揮。
ビタミンB12製剤(メチコバール®など)は末梢の神経障害に使われたりします。
ハヤシ
不足すると手足のしびれ、神経痛、貧血などが起こることがあります。
ナイアシン(ニコチン酸、皮膚と神経のビタミン)
レバー、肉類、魚類、豆類などに含まれ、皮膚の働きや血液循環に効果を発揮します。
アルコールの分解、コレステロールや中性脂肪の低下にも効果が。
不足すると下痢、不眠、めまい、頭痛などの症状が起こることがあります。
パントテン酸(代謝改善や抗ストレスのビタミン)
レバー、牛乳、魚類、納豆などに含まれ、脂質や糖分の代謝、自律神経を正常に維持、ストレスへの抵抗性を発揮します。
不足すると頭痛や疲労感が現れることも。
ビオチン(皮膚や神経、毛髪のビタミン)
卵黄、レバー、きな粉などに含まれていて、皮膚や毛髪、神経を正常に保つ働きがあります。
腸内細菌でも作られるので不足することは滅多にないとされています。
ハヤシ
葉酸(プロテイルグルタミン酸、血を作るビタミン)
ほうれん草やカリフラワー、卵、レバーに含まれています。
ビタミンB12とともに赤血球を作る働きがあります。
不足すると貧血の症状としてめまいが起こったり、集中力の低下、倦怠感などが起こることもあります。
ビタミンC(お肌と抗酸化作用のビタミン)
果物類、野菜類などを中心に含まれていて、主な作用としてはコラーゲンの合成や色素沈着(シミ)の防止、免疫力の向上、抗酸化作用などが挙げられます。
シミ防止にビタミンCがイイってきいたことある!
ぱっつん
その反面不足すると、免疫力の低下や集中力の低下が起こったりすることも。
ストレスや怒り、喫煙によって多く消費されるので心当たりのある方は注意しましょう。
あんまりカリカリせん方がように!
ハヤシ
はぁ~
ぱっつん
そういうとこやで...
ハヤシ
ビタミンD(骨を丈夫にするビタミン)
かつおやマグロ、イワシなどの青魚類、卵黄などに多く含まれます。
他にも日光を浴びることで皮膚で作られるものもあります。
骨や歯の生成に大きく関与していて、カルシウムの吸収を促進する作用があります。
そのため不足すると骨がもろくなることもあり、骨粗しょう症のリスクが高まります。
ビタミンDのうち、活性型ビタミンD3は骨粗しょう症の治療薬として用いられます。
ハヤシ
ビタミンE(血行改善のビタミン)
穀物、豆類、うなぎなどに多く含まれています。
作用としてはホルモン分泌を調整や血行を良くしたり、コレステロールの変性を防ぐことが挙げられます。
ストレスが多い人や喫煙者は不足することが考えられるので積極的に摂ることがおすすめです。
要チェックや。
ぱっつん
ビタミンK(止血や骨を丈夫にするビタミン)
緑黄色野菜や納豆などに多く含まれます。
出血を止める作用や骨を丈夫にする作用があります。
そのため、不足すると出血がなかなか止まらないことがあります。
特に注意すべきは血栓を予防するお薬ワーファリン®を服用している方は、ビタミンKはその効果を弱めるので摂取には十分注意しましょう。
ハヤシ
ビタミン剤にも副作用ってある?
上記からわかるようにビタミンにはそれぞれ働きがあり、不足すると体の調子が崩れるため適切な量を摂取する必要があります。
では、逆に摂りすぎることで他のお薬などと同様に副作用はあるのか?
それを知るためにはまずビタミンが大きく2つに分類できることを知っておく必要があります。
それは...
水溶性と脂溶性。
ハヤシ
水に溶けるビタミンとそうでないビタミンってこと?
ぱっつん
水溶性ビタミンは文字通り水に溶けるビタミン。
つまり、摂り過ぎたとしても尿といっしょに出ていくので体の中に溜まることはなく過剰摂取にはならないと考えられています。
ビタミンB群、ビタミンCがこれにあたります。
ハヤシ
それに対して脂溶性ビタミンは水には溶けにくい性質で摂りすぎると過剰症をおこすことがあります。
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがこれにあたります。
ハヤシ
例えば、ビタミンAは適量であればもちろん問題ありませんが、過剰摂取すると頭痛やめまい、皮膚のかゆみなどが起きることも。
妊婦にいたっては先天性異常と関連性があると言われ、摂取量や接種方法に注意が必要です。
ビタミンCなんかはとり過ぎてると腎結石や尿路結石になりやすくなるで。
ハヤシ
マジ!?
ビタミンといえど侮れませんな。
ぱっつん
まとめ
ビタミンは私たちにとって身近なものであるのにもかかわらず、意外とその正体を知らない存在です。
しかし、今回説明したように生命維持に欠かさないのがビタミン。
そして、体の中で合成することはほとんど出来ず食べ物などから適量を摂取する必要があります。
健康な体を維持し続けるためにも、食事等でバランスよく摂ることが重要。
もし、体の不調や疲れを感じた時には医師や薬剤師に相談のもと、医薬品で効率よく補うこともおすすめです。
より良い毎日を健康で過ごすために是非参考にして下さいね!
ハヤシ
寝屋川市の薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ