子供が熱を出したらすぐ解熱剤!?子供の発熱への正しい対処法を話してみた
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
小さなお子さんが急に発熱!不安やパニックになって病院、薬局にやってくるお母さんを見かけます。
「早く熱を下げて元気にしてあげたい」と思うのが親心。
ほんまに小さい子供ってさっきまで元気やったのに急に熱出したりするもんな。
ビックリするし、かわいそうやし…
ぱっつん
確かに。
でもな、熱があるから「すぐに解熱剤を!」っていうのはちょっと待った。
慌てずに対応する方がええで。
ハヤシ
でも、かわいそうやん!
ぱっつん
気持ちはわかるけどね。
ただ、生後3カ月未満の子供が38℃以上(目安)の高熱がでた場合とか一部の注意する症状でない場合は緊急性がないことが多いねん。
ハヤシ
そうなん…
ぱっつん
子供が熱を出したからといって救急外来をすぐに受診する必要はありません。
慌てずに熱以外の症状を把握することから始めましょう。
元気はある?ぐったりしていない?おしっこは出てる?けいれんは?顔色はどう?
それらを確認すること。
ハヤシ
そして、熱があるからといって解熱剤をむやみに飲ませるのも間違いです。
今回は子供の発熱と解熱剤について。
正しい対処法を知って解熱剤を効果的に使用する方法をお話しします。
お母さん、是非ご参考にしてください!
ちなみに前回はこんなお話をしました。
ハヤシ
解熱剤は熱を下げるだけ!病気は治しません。
解熱剤はその名の通り「熱を下げる」お薬です。
あくまでも発熱の症状を一時的に和らげるために使用します。
決して、病気そのものを治すお薬ではありません。
ハヤシ
風邪の原因はウイルスや細菌の感染によるもの。
そのほとんどがウイルスによって起こり、細菌(溶連菌など)によるものはごく稀です。
ほう~
ぱっつん
したがって、解熱剤を飲んだからといってウイルスや細菌の増殖を減らすわけではなく、熱の症状を和らげてあとは自分自身の免疫で治すのが基本なんです。
じゃあ、熱はなんで出るのか?
ハヤシ
発熱は決して異常な反応ではなく、体の中に侵入したウイルスや細菌を「やっつけろ!」と脳からの命令で起こる正常な反応。
そして、この指令を受けて動き出すのが「白血球」です。
白血球は熱が上がることで動き出し、ウイルスや細菌をやっつけてくれます。
「はたらく細胞」で見たことある!
ぱっつん
そうそうそれ。
ハヤシ
発熱は体の防衛反応であり、白血球がウイルスや細菌をやっつけている証拠。
むやみに解熱剤を使って熱を下げる必要がないことがこれでわかると思います。
発熱に対するお薬を飲む以外の対処法
休日や夜中に急な発熱を起こしたら、冒頭でお話ししたようにまずはしっかりとお子さんの様子をみること。
顔色はわるくないか?けいれんはないか?などなど。
そして、それらがなく緊急性がないのなら
氷嚢や水枕を使って冷やしてあげましょう。
ただし、熱があってもご機嫌で遊んいるなら無理に冷やさんでもええで。
ハヤシ
そうなん!?
ぱっつん
おでこを冷やすと気持ちいいですが熱を下げる効果はほぼなし。
高熱の場合はわきの下や足の付け根、首回りなどを冷やすのが効果的。
ちなみに、冷感シートは体温を下げる効果はほとんどありません。
ハヤシ
マジ!?
ぱっつん
熱が上がっている最中は手足が冷たくガタガタ震えることがあるので、こんな時は毛布で体を温めてあげること。
その後、熱が上がりきると今度は逆に手足が温かくなって暑がるのでその時は冷やしてあげるようにしましょう。
※3ヶ月未満のお子さんは冷やすことで体温が下がりすぎることがあるので注意。
以上のように、お子さんの様子を把握してまずは自宅でできるホームケアを試すようにしましょう。
正しい解熱剤の使い方
熱が出て元気がなく、不機嫌、眠れない。
おまけに食事も水分もあまりとらない。
そんな時は、いよいよ解熱剤の出番です!
ハヤシ
解熱剤を使うことで発熱の症状が和らぎ、睡眠、食事、水分がとれるようになって体力の回復をはかることが出来ます。
ただし、その効果は一時的。
あくまで症状を和らげるものであって、病気を治すものではないことは忘れずに!
ハヤシ
そう言うとったな。
ぱっつん
解熱剤の種類は色々ありますが、成人で処方される解熱剤(アスピリン、ロキソプロフェンなど)の中には小児での使用に安全性が確認されていないものもあります。
例えば、アスピリンは15歳未満のインフルエンザや水痘による発熱には使用禁止となっています。
だから、お家にある余った自分のお薬を子供に飲ますなんてことはしたらアカンで。
ハヤシ
気をつけよ。
ぱっつん
そんな中、よく処方されるのがアセトアミノフェン。
ハヤシ
アセトアミノフェンは小児に対する安全性が確認されていて用法用量を守れば、非常に安全なお薬。
ちなみにインフルエンザによる発熱の場合も使用可能です。
剤形も錠剤、散剤、シロップ、坐剤があります。
例えば、お子さんが辛そうにしている場合などは飲み薬を無理に飲ませるのは至難のワザ。
坐薬を入れてあげる方が楽な場合もあり、そのお子さんの状況に応じて剤形を選ぶことも可能です。
ただし、アセトアミノフェンの解熱作用はそれほど強くないねん。
だから、今以上の発熱を起こさせないように服用すると理解してもらった方がいいね。
ハヤシ
了解。
ぱっつん
まとめ
発熱は風邪などをはじめする多くの病気に対する体から出されるシグナルであることは言うまでもありません。
しかし、注視するのは発熱だけでなくお子さんの全身状態がどうなのかということ。
元気で機嫌が良いならたとえ熱があったとしても緊急性は低いものと思われます。
その場合は解熱剤はひとまず使用せず、今回紹介したホームケアを試したり、熱による脱水予防の水分補給をしたり、ビタミンの補給などをさせてあげましょう。
むろん油断は禁物ですが、慌てて発熱だけにとらわれないこと。
冷静にお子さんを観察して正しい対応をしてくださいね。
ハヤシ
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ