塗り薬の軟膏とクリームって何が違うの?ステロイドって怖い?ビシっと説明
こんにちは、薬剤師ハヤシです。
なあなあ、同じ名前の薬やのに軟膏やクリームってあるやん。
あれってなんでなん?
ぱっつん
ほうほう、なかなかええ質問するやん!
ハヤシ
みなさんの中に肌に湿疹が出たり、かゆみが出たりして皮膚科を受診したことがある方もいらっしゃるでしょう。
その際、処方された薬が軟膏だったりクリームだったり...
「何が違うの?」「どっちでもいいやん」って思ったことのある方もいらっしゃるのでは?
ハヤシ
結構思ってる
ぱっつん
しかし、これちゃんと理由があります。
ハヤシ
今回は軟膏とクリーム、そしてその有効成分として含まれているステロイドについてお話ししたいと思います。
特にお子さんをお持ちのお母さんは「何をどこに塗ればいいの?」って迷うこともあると思います。
そんな時に参考にしていただければと思います。
塗り薬の軟膏とクリームの違いって?
お薬の効き目を発揮する有効成分と混ぜ合わせるベースになる基剤といわれるものに当たるのが「軟膏」や「クリーム」。
同じ有効成分でも混ぜ合わせるのが軟膏かクリームかによって塗り心地はもちろん、塗った時の皮膚への刺激が違ったりします。
軟膏の特徴
軟膏の一番の特徴はベタベタ感。
このベタベタ感は、油性基剤をベースとしているから。
そのベタベタ感のためなんだか使いにくく感じることも少なくありませんが、保湿力があって乾燥した皮膚への保護効果があります。
それに肌への刺激も少ないから、ジュクジュクしたところにも使えて肌の弱い方に向いてるねん。
ハヤシ
わたし、お肌弱いから軟膏が良いかも!
ぱっつん
(ほんまかいな)...
ハヤシ
なんか言いたそうやな
ぱっつん
クリームの特徴
クリームは軟膏に比べてベタベタ感が少なく、肌に塗る際は良く延びて塗りやすい印象。
これは軟膏と同じ油性の成分を含んでいるのに加えて、水分を含んでいることに理由があります。
でも、軟膏に比べて刺激が強いものが多いから、ジュクジュクしたところや傷のあるところには向かへんケースがあんねん。
ハヤシ
へぇ~
ぱっつん
以上から、たとえ同じ有効成分でも個々の肌の強さ、塗る場所やその状態によって軟膏かクリームかの選択は変わります。
塗り薬のステロイドって何?怖くないの?
「ステロイドってよく効くけど、副作用が強くて怖いからあんまり使わない方がいいかも」って思われている人も少なくないでしょう。
当然ですが、他のお薬と同様にステロイドも副作用があります。
しかし、長期間に渡って大量に使ったり、あえて必要以上に強いステロイドを使ったりしない限り、用法用量をきちんと守っていれば副作用が起こることはまずありません。
ステロイドはどんな薬?
ステロイドは、私たちの体の中の副腎と言われる臓器で作られているホルモンの作用をお薬として応用したもの。
その効果として、最も大きなものは炎症を鎮める作用。
他にも皮膚が赤くなったのを鎮めるために血管を収縮させたり、免疫力を抑える効果があるんやで。
ハヤシ
いろいろあるんやな。
ぱっつん
ステロイドはどう選ばれる?
ステロイドにはその強さによってウィーク、マイルド、ストロング、ベリーストロング、ストロンゲストの5つに分類されます。
ハヤシ
そんなにあんの!?
ぱっつん
では、この5つの分類をどうやって使い分けていくのか?
まず、その判断として「ステロイドの吸収は塗る体の場所によって違う」ことが挙げられます。
ハヤシ
特に顔や首、陰部はそれ以外の場所に比べて非常に吸収率が良いとされています。
そのため、副作用が起こらないように弱めのステロイドを選び、長期の使用を避けるように指示されます。
決して、「治りが悪い」からなどの理由で処方された以上の強さのステロイドを自己判断で使ったりせず、用法用量をきちんと守って使用しましょう。
他にも年齢によっても使い分けることもあります。
ハヤシ
赤ちゃんや小学生までの子供であれば、まだ皮膚が未熟であることからそれぞれウィーク、マイルドの強さのステロイドでも十分な効果が得られます。
そして、症状がないのに予防として使うようなことは決してないようにせなあかんね。
ハヤシ
かわいい子供のことが心配でついつい使ってしまうことあるかも。
注意せなあかんな。
ぱっつん
ドラッグストアなどで購入できる市販のステロイド外用薬もあり、その強さはウィークからストロングまでの3種類。
購入の際は使用する場所や状態はもちろん、年齢も常駐する薬剤師にしっかりと伝えるようにしてください。
塗り薬はどのくらいの量を塗るのが正解?
「早く治したいから」と塗り薬をとんでもなくたくさん塗ってしまう人がいます。
ハヤシ
ギクッ
ぱっつん
気持ちはわかりますが、ステロイドの塗り薬の場合も薬の効果を得るために適切な量の目安があります。
口径が5mm程度のチューブタイプの軟膏やクリームの場合、大人の人差し指の先から第一関節まで薬を乗せた量で大人の手のひら2つ分くらいの広さを塗るのに適量です。
やや多く感じるかもしれませんが薄くのばして擦り込むように塗るのではなく、
乗せるように塗るのがポイント。
ハヤシ
そうなんや。
ぱっつん
塗り薬を塗る際の目安と覚えておくと便利です。
まとめ
処方される塗り薬はその基剤の性質の違いを考慮して、塗る箇所、状態、年齢などによって適切に選ばれています。
ちょっと痒くなったからと自分の余っているお薬を子供に使ったりすることは、かえって症状を悪化させる可能性があります。
医師や薬剤師にしっかりと現状を伝えて適切なものを選んでもらうようにしましょう。
ステロイドを決して怖いというイメージで捉えるのではなく、適切な用法用量で使えばすごく効果の得られるお薬だと理解しましょう。
お子さんの肌荒れやアトピーなどで悩んでいらっしゃるのならなおさら。
今回のお話を参考にして分からないことがあれば、かかりつけの薬剤師に気軽にご相談くださいね。
ハヤシ
みなさまのご健康を願っております。
薬剤師ハヤシでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ハヤシ